ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.24

ステイシネマ

意味のない緊急事態宣言によってあらたに規制が継続されるなか
それに伴い、なかなか映画館に足を運ぶ機会がなくなってしまった。
もちろん、自分の意思に従えば、それでいいのであるが、
諸々のストレスを鑑みた時に、
この夏は特に、外に出かけて、映画をみるというのが
なんとなく億劫で、少々インドア生活が続いている。
それにともない、ストリーム鑑賞がメインとなっている。

映画館で映画を見るという当たり前のことが
実は贅沢なことであり、同時に、
それをひとつの文化として絶やしてはいけないことだと知りながら、
なかなか実行できないもどかしさをかかえている。
困ったものである。

が、映画への欲求が失われたわけでもなく、
映画そのものに対しては、まだまだ、期待と興奮をもって
どこまでも、追いかけてゆくことになるだろう。
一本の良質な作品に出会うことはかげがえのない幸福であり、
それが新しい作品であれ、過去のものであれ
たとえ、どんなジャンルの、どういうテーマであれ、
人間というものを、日常という檻から自在に解放してくれる
魔法の時間であることは間違いないことだからである。

つまらない論争に巻き込まれ、時間を消費するなら、
一本の未知で、輝きにみちた宝石のような映画を求めて
モニター越しに夢見ることをやめない知性があっていい。
ここに、夏をめぐる10本の良質な作品の前に立って、
いつものように、考察してみたい。

夏の天才:SPANK HAPPY

特集:網膜に浮かぶ夏の天才シネマ10本の映画

  1. 太陽族VSモータボート特攻隊・・・中平康『狂った果実』をめぐって
  2. ヴァカンスにいけない鬱憤をロメールという日常で彩ってみよう・・・エリック・ロメール『レネットとミラベル/四つの冒険』をめぐって
  3. 我がけだ類、それはM・D な夜・・・マルグリット・デュラス『インディア・ソング』をめぐって
  4. キノボリスにそびえ立つロシアの巨塔、その名もバルネット・・・ボリス・バルネット『青い青い海』をめぐって
  5. 台風少年少女合掌譚が行く・・・相米慎二『台風クラブ』をめぐって
  6. その幸福の裏側にあるもうひとつの顔・・・アニエス・ヴァルダ『幸福』をめぐって
  7. 酸いか、甘いか? 台湾発『西瓜』は思った以上に甘くはなかった・・・ツァイ・ミンリャン『西瓜』をめぐって
  8. 人生は旅。つあ〜ものどもが夢の跡。・・・小津安二郎『浮草』をめぐって
  9. 海パンの王様の夢のあとさき・・・フランク・ペリー『泳ぐひと』をめぐって
  10. わすれ敵は今日だけの恋人・・・アラン・レネ『二十四時間の情事』をめぐって

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