小冊子シリーズ

書くことの目的はまず第一に、愚かな自分自身の救済だ。

チャールズ・ブコウスキー

●Booklet it be(あるがままたれ小冊子よ)

 たかが小冊子、されど小冊子。 時代はいま、大量生産から個人を中心としたオンデマンド時代へと突入し、必要なものを必要に応じて生産する時代になってきた。とはいっても、だれだって、ゴージャスで、クールなカタチの量産に恋いこがれるものだが、大漁ならびに大量、という甘いコトバのささやきは、それだけでなにか、豊かな想像へと駆り立てはする。だが、ほんとうのところ、たったひとつ、それが輝きを放って価値あるものであればなんだっていいわけだし、いや、いいものだからさらにもっともっとと増幅する望みだけが、過剰に上積みされていくだけなのかもしれぬ。要するに数ではない。そのものの究極の価値がなんたるかを追い求めていけば必然的に浮かび上がるだろう。

本を作ってみたいという欲望は、絵や文章を生み出す人間の自然なあこがれである。だが、そうした機会にはそうやすやすと遭遇することがない。なぜなら、そこには、市場のモノの価値をめぐって、ちょいと高いハードルが掲げられているからである。ちょっとばかし本好き、物書き、文筆家といったところで、シロウトの出る幕はない。今のところ、まだ、ラクダがハリの穴を通るより難しい。がしかし、諦めるのは早計だ。なら、自分で、自前でやっちまえ、といきりたって作ったものが、これら、小冊子諸君である。たった一人で出力し、ひとり黙々と製本作業をいたしたセルフメイドな代物である。声高らかに書物だと言い切ってしまうほど傲慢ではないつもりだし、ただ思いを形にしただけだ。しかしその産物をこうして手に取るだけで幸福な気持ちが込み上げてくるのだ。

◆ハイク集/hi-ku

■志陣野歩蓮/shijinno pollen
肩書き・ヒップハイカー
著:「徘徊集」「俗俳諧集」「ゾクゾク俳諧集」

啖呵集/tanca

■茶目小路歩絵人chamenokouji poeto
肩書き・タンキスト
著:「啖呵集」「マタデ啖呵集」(未出版)「マダオッ啖呵集」(未出版)

Vocab-Rallye ぼかぁぶらり1~3

■空気吸造/kuuki suzo
肩書き・小粋人
著:「ぼかあぶらり」1 ちょいと小粋な子どもの絵本「ぼかあぶらり」2 ちょいとお茶目な子どもの絵本「ぼかあぶらり」3

ケイク集

■Short Cake ショート・ケイク監修:近代司 原語郎
kinndaishi gengoroh
◆Pun Cake パン・ケイク
監修:近代司 勘具郎
kinndaishi kanguroh
◆Hot Cake ホット・ケイク
監修:近代司 勘慈郎
kinndaishi kanjiroh
著:「啖呵集」「マタデ啖呵集」(未出版)「マダオッ啖呵集」(未出版)

モノローグ(日常篇)/monologue

◆物野独白/monono doppaku
肩書き・モノゲンユニット社委嘱翻訳家
著:「モノローグ(日常篇)」

Market By Market Vol.III 特集ロピュール

横浜のアートのインディペンダント集団、マーケットでの個展 Maternal Eternity 「母なる永遠」の関連小冊子/93年10月発行。
発行:Market

Cahier de Leaupure 94

銀座ラランヌ・ギャラリーでの個展 Room Flowing With Milk & Honey「乳と蜜の流れる部屋」1994 の関連小冊子。ロピュールのエッセイ集
限定100部発行* 15thSept.94

◆A text on House Of Love(愛のある家)

下北沢BigBambooでの個展House Of Love 「愛のある家」の関連小冊子。
Organazed by Heartists Comminity96
限定25部愛のある家に関するノート発行:10.May.96

AFTERNOON OPIUM DRAWING集

線画によるデッサン集。限定30部/発行:23・Feb. 97あるとき、紙の切れ端やメモ上に記される稚拙な落書き。日中の狂気。かつて誰もが見覚えのあるこうした出来事に意識がひそかに加わった。べつにイラストレーターになろうだの画家になろうだのと考えて描いたわけではない、ただ描きたいという欲望にかしずいたにすぎない。その情熱は日を帯びるごとに線に生命を宿しはじめた。いや、かつて描いた稚拙な線や塗りたちが目覚め、成長を遂げただけだ。白日の下で、そうした膨大な線たちが自動書記に近い形で、それぞれのことばを発している。素材はA4のコピー用紙にシャープペンシルで、なんの作意もなく、流れるように描きたいだけ描く。約二千枚のなかからの抜粋。

個展記録/Purewater~ある水の軌跡93~96

93~96年までのロピュールとして発表した美術展の内容を、写 真と詩で構成した総合カタログ。
限定50部

●ある水の軌跡
震える夜の手のひらが
破れはためく空の裾から
光の巣を宿した君の瞳に別れを告げる
それは永遠の乾きに水を招き入れるだろう

詩集・水の気絶

詩というものをさほど理解もせず、何食わぬ顔で詩を打っていた、ふとしたきっかけから出来上がってしまった。
文字の羅列、自動書記的な詩に、フリーハンドでランダムなアンカーポイント間に出来上がったベタなグラフィックを載せた手作り詩集。瀧口修造へのオマージュ。。
発行:3rd March97