ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.22

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.22
ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.22

永遠なるかな、明日にかける虹の担い手たちの夢見る約束

せっかく七夕がやってきても、懸ける願い虚しく
地上に散った星屑たちの気分はずっと停滞し、疲労し
相変わらず、メディア、世論に踊らされるまま
憂い抜き切れぬものたちで溢れかえっている。

ひたすら未来を危惧する人々、絶望する人々
真実を隠蔽し、己の利権ばかりに執着する人々
およそ民主国家とは思えぬ全体主義の傘の下で、思考を停止してしまった人々・・・
あるいはその犠牲下のこどもたちは、あおりをくって青色吐息。
返ってくる言葉に、胸躍るものは実に少ない。
こんなことで、われわれは未来を託せるのか?
長らく育んできた良き伝統や習慣を守れるのか?
誰を、何を信じればいいのか?
そんな哀しい想いのつぶやきだけが虚しく響く。

しかし、誰もが夢見た子供のころの、
あのキラキラした思いを、幸い失わずにいることだけが救いである。
少なくとも、僕は信じている。
夢見る力を。
夢繋ぐ試みを。
そうした思いで、少なからず未来を夢見ていられることに感謝したい。
やはり、それはアートや映画や本、そうしたガイドがあってこそだ。
だから、今こそ、そういうものの価値を歪めることなく、
人から人へ、感動や思いを伝えて、共感の輪をひろげてゆきたい。
いいもの、確かなものを未来の子供達のために継承してゆきたい。
なんとか、この不毛な時代を乗り切って、明日に虹を掛けたい。
少なくとも、ちいさな力の蓄積で、真の幸福を願いたいのだ。

そんなわけで、今回の特集はズバリ「絵本」「イラスレーション」に特化し
未来にかける虹の源泉を語ってゆきたいと思う。

ここにあげるものは、こどもたちのみに向けられた大人側の高みからの視線ではない。
視線はむしろローアングルだ。
子供とともに強制する、未来を夢見る者たちすべてへの福音なのである。
そんな力を信じて支持したい、ただそれだけのことである。

夢見る約束:戸川純

特集:わが童心をくすぐる絵本、エゴコロのさと

  1. それにつけても絵本はカール・・・エリック・カール『はらぺこあおむし』のこと
  2. 憂いか愛いかは心が決める・・・初山滋のこと
  3. こどももどきの大人たちへの贈り物・・・サラ・ミッダのこと
  4. 未完成でありたい、その永遠の感性をくすぐる絵本・・・クヴィエタ・パツォウスカーのこと
  5. ワンダフルイラストラベリング! これぞThis Is Mr.Travelin’man・・・ミロスラフ・サセック『This Is〜』シリーズのこと
  6. ミッフィーはママの味・・・デイック・ブルーナのこと
  7. 善悪の彼岸にある絵本、心盗まれて・・・トミー・ウンゲラー『すてきな三にんぐみ』のこと
  8. ユーは阿闍梨、それとも砂利? こりゃいったい何ジャリか? ・・・大竹伸朗『ジャリおじさん』のこと
  9. 君が君であるところの色をめぐって・・・レオ・レオーニのこと
  10. すべては無なり、または有なり・・・ブルーノ・ムナーリのこと

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