映画・俳優

時計じかけのオレンジ 1971 スタンリー・キューブリック映画・俳優

スタンリー・キューブリック『時計仕掛けのオレンジ』をめぐって

例えば、スタンリー・キューブリックのカルトムービー 『時計仕掛けのオレンジ』を想起してみよう。 スクリーンにあふれかえるイメージ、アイコンは、 当時からみればいたく未来的であった。 けれども、今見返すと、どことなくレトロモダン風であり こだわりのキッチュな世界が支配している。 単に、懐かしい気分がするのだ。

PETITS FRERES 1999 Jacques Doillon映画・俳優

ジャック・ドワイヨン『少年たち』をめぐって

『ピストルと少年』あるいはこの『少年たち』もまた、 成熟に届かぬ十代の若者たちの周りで起きる、 リアルな憤り、もどかしさを巡って、 ドキュメンタリーのような雰囲気で、 常に逼迫し、何かに追い詰められているそんな臨場感で ナイフの刃のように傷つけ合う激情が晒される。 実にドワイヨンらしい作品と呼べるもので いつもながら、子供たちが実に生き生きしている。 何気ない傑作だと思う。

絞死刑 1968 大島渚 ATG映画・俳優

大島渚『絞死刑』をめぐって

大島渚の『絞死刑』はこんな風に始まる。 ほとんど誰もみたことのない風景が前の前にある。 (死刑をめぐる)問題作なのは言うまでもないが、 この先いったいどんな深刻なストーリー、 どんな恐ろしい結末が待ち構えているのか? 出だしからして緊張を強いられる映画である。 しかし、これは果たして死刑制度の是非をめぐる映画なのか? という疑問が次第にあらわになってくる。

お父さんのバックドロップ 2003文学・作家・本

中島らも『お父さんのバックドロップ』をめぐって

こういう親子ドラマというのが、実は好きだったりする。 お祖父ちゃん役のチャンバラトリオ、南方英二もいい味を出している。 昭和であれば、こういうドラマがいくつもあったし それをテレビを通じてふんだんに見て育ってきたのである。 最近じゃなかなかみられなくなっているというのもあるが、 これはこれで、しっかり笑いとペーソスが噛み合った情的ドラマである。 はっきりいってB級もB級ではあるが、そこは単なるB級には終わらない、 らも節というものが、随所に流れているのだ。