ジャケ買いといふもの、其の弐
ここでは、音からではなく、ビジュアルから入る音楽の楽しさを 考察しているわけだが、 やはりファーストインプレッション、第一印象にして 目を惹くというものは、人間の摂理上、 普通にあることではないだろうか?
ここでは、音からではなく、ビジュアルから入る音楽の楽しさを 考察しているわけだが、 やはりファーストインプレッション、第一印象にして 目を惹くというものは、人間の摂理上、 普通にあることではないだろうか?
自分はある時からモノとしてのコレクター生活を放棄してしまった。 モノからは隔ったとはいえ、今もその思いは消えてはいない。 所狭しと並ぶレコードは圧巻だ。 かつてはそもそもレコードショップしかなかったのだから。 そこで、一枚一枚手にとって眺める楽しさは忘れられない。
そんな伝説のバンド、ピンク・フロイドを中心に、 そのジャケットワークを手がけたデザイン・チームこそが 「ヒプノシス」だ。 今日はそのアートワークについて書いてみたいと思う。 ヒプノシスのリーダーであるストーム・ソーガソンと、 ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ、シド・バレットとは 高校時代からの仲間だった。 その縁が取り持って、あのような歴史的名盤との共犯関係が 続々出来上がっていったのである。
ミリキタニことジミー・ツトム・ミリキタニ、 本名を三力谷勉(漢字で書くとなるほど納得する)といい、 カリフォルニア州サクラメントに生まれた日系人で 一度郷里日本の広島での生活を経由し、 いうなれば、帰米(キベイ)者として 「優れた日本の芸術を世界に紹介する」という大志により 再度海を渡った気骨ある人物である。 そのドキュメンタリー映画『ミリキタニの猫』が 多くの人の心を鷲掴みにした出来事となったのである。
パリ発ぶさかわキュートなイラスト、キラリ。 今時、単純にキレイだけ、可愛いだけじゃなかなか人の気を惹けやしない。一億総カワイイ時代。そんなわきゃないな・・・・とはいえ、ぶさかわ、なんて言い方がもてはやされている昨今の事情...
見た目のおどろおどろしさや、 異物感を差し引いても偏愛したくなるもの。 そういうものがキッチュと呼ばれるわけだが そうしたものを美術として認識することで ロウブロウが生まれる。 別にデタラメでも下手ウマでもない。 そのポップシュルレアリスムのゴッドファーザーと呼ばれているのが マーク・ライデンである。 この世界に触れればロウブロウを無教養などと 訳すことはまずないだろう。
色彩の躍動、シンプリシティ。 ホックニー讃歌こそは、まさに生きることを肯定することを意味する。 ホックニーの絵の前で、誰の眉間にシワが寄るだろうか? 存在そのものが眩しいのだ。
特集の最後はこの人に飾っていただくとしましょうか。 イタリアンデザインの父にしてイタリアの至宝デザイナー、 ブルーノ・ムナーリさんの登場です。 888と書いて、ヤァ!ヤァ!ヤァ!、でもいいけれど ここはひとつパチパチパチということで。
青と黄色がまざれば緑になる。 べつに絵描きやデザイナーでなくとも、 それぐらいのことは、知っていることなんだけれども わざわざ、視覚化して、それを絵本を通じてみると、 ほお、そうだよね、そうだったよね、面白いね、ってな感じで なんだか、理屈ぬきで楽しくなってきて 幸せな気分が押し寄せてくるのだから不思議である。 レオ・レオーニのよる絵本『あおくんときいろちゃん』についての話である。
理屈や常識で測り得ないものを、 ひたすら衝動とその熱情とともに放出するスタイルを貫いてきた 大竹伸朗という一人の異端なアーティストが、ふと立ち止まって海を見ている、 そんな絵本でもある。 そこに子供たちに向けたメッセージを絵本に認めた。 それが『ジャリおじさん』であり、合言葉「ジャリジャリこんにちは」を発して 出会う人間たちに、どこまでも不思議なコミュ力をもって伝播してゆくのだろう。