我が家のセプテンバーソング定番セレクション:後編

seeptember2

九月の暦がはらりとめくれるたびにくしゃみがひとつ。
季節の変わり目にご注意を。
空を見上げると、かくも麗しいヘリオトロープの夕暮れどきの
厳かでロマンチックなひとときに佇む。
何と言っても九月は乙女ときめく眩しい季節なのであります。

などと能天気に書いて、大丈夫かな?
乙女といえば、幕末維新の志士坂本龍馬のお姉さんを思い浮かべるが
僕が思い描く九月の乙女はというと、
飽くなき知性への探求と、好奇心にあふれ
キメ細やかな感性の危きバランスと共存させながら、
夢見ることをやめられない、そんな永遠の乙女像であり、
人一番傷つきすく、誰よりも純粋ロマンを生きている
ポエジーの園に咲く一輪の花ってな、
そんなイメージというわけなのよね。

さて、セプテンバーソング後編は、そういった乙女チックな
セレクションにスポットを当てて行こうと閃いたものの、
九月の香りから秋の香りへ、
秋の香りから乙女の香りへ
乙女の香りからは、結局ロマンの香りへと
手を替え品を替えぐるぐると旋回し
勝手に方向転換ならぬ、芳香転換を余儀無くしている気がしないでもなく
はて、これはとりとめもないことをやっちまったか、
などと自責の念に苛まれるか、れないか、
思わず舌を出して逃げ去りたい気持ちを抑えて
結局、それは年甲斐もなく、乙女心を知り尽くしたかのような粋、
ではなく、あくまでもいたずらな振る舞いってやつで笑って済ます。
そう、乙女に対峙する少年の悪あがきというやつでせうか。

Vashti Bunyan:Just Another Diamond Day

スウィンギング・ロンドンの最中にデビューした
伝説のフォークシンガー、ヴァシュティ・バニアン。
プロデュースにはフェアポート・コンヴェンションや
ニック・ドレイクなどを手がけたジョー・ボイド。
長い間、霧の中の風景に紛れたかのように
人知れずききそびれていた幻の一枚。

ひこうき雲 :荒井由実


荒井由実時代からのユーミン少女は
大人になり、そして結婚し、
子供を産み、いい歳を迎えていることだろう。
乙女はまずここを通過したのだ。
キャラメルママのメンバーが参加した名盤「ひこうき雲」。
良き時代の空気感に満たされながら
その後のユーミンへと連なる記念すべき第一歩を踏み出した
時代を経ても色褪せることはない記念すべきデビュー作。
やはり素晴らしい。

music & me:原田知世


知らない間に“時をかける少女”もかなり年をかけてしまった。
アイドルから大人の女性へ。
それでも不思議に年齢を感じさせない
永遠の乙女度がかなり高いのが知世ちゃん。
で、一体何枚アルバムを出しているのか
意外なほどの多産ぶりに驚く。
これが通算17枚目
naomi & goroの伊藤ゴローをプロデューサーに迎えて
サウンドクオリティは結構高め。
まさかあの「時をかける少女」が大人のボッサで蘇るとは・・・

時をかける少女 · 原田知世

浜田真理子 :夜も昼も


林静一のイラストジャケットの世界観そのもので
うっとりしっとり、聞き入ってしまうのが真理子ワールド。
感傷とまではいかないが
どこか昭和チックな雰囲気が漂う。
それでも、大友良英プロデュース、
ピアノと声だけでも十分なのですが
なかなかのツワモノミュージシャンにサポートされて
一段と輝きを増した真理子ワールドをご堪能あれ。

十五夜-浜田真理子

ビューティフルハミングバード:ビューティフルハミングバード


2002年結成というからかなり活動息は長い。
小池光子と田畑伸明の男女二人組、
このビューティフルハミングバードのデビューアルバムは
一度は廃盤になったが2013年に再発されている。
そのユニット名にあるような
ボーカルの透明感溢れる小池さんのナチュラルな歌声に
うっとりしてしまった。
なんでもかんでも鳥に喩えりゃいいってものでもないが
風を自在に繰るまさに大空を自由に羽ばたく小鳥のように
伸びやかで自由な歌が続く。
どこか見知らぬ森林で陽を浴びるように聞いていたい
そんな珠玉のポップソング。
乙女度はかなり高いのでは?。

ビューティフルハミングバード「シープ」

THE MILK EYED MENDER:Joanna Newsom


ハープという珍しい楽器に
ファムアンファンたる歌声を高らかに響かせながら
このアルバムでデビューした森の妖精のような、
永遠の少女ジョアンナ・ニューサムも
すでに結婚して成熟した大人の女になっている。
俳優デビューまでして、活動の幅を広げているが
やはりこのデビューの衝撃は忘れられない。

Bridges & Balloons · Joanna Newsom

Funny Walkin’:佐藤奈々子


吉田美奈子には山下達郎がいたように
佐藤奈々子には佐野元春あり。
そんな経緯はともかく、
近年とみに注目される70年代シティポップとしての
埋もれた名盤がこれ。
フォトグラファーとしても世界を股にかけ活躍する
才能豊かなコスモポリタンなシンガーである。

真夜中のロックンロール・ダンス (2017 リマスター) · Nanako Sato

A Night at the Opera:Queen


乙女だからクイーン?
クイーンは男たちのバンドでは?
そうそう、映画『ボヘミアンラプソディ』の大ヒットの影響で
今乙女な人もかつて乙女だった人も
こぞって心酔したクイーン。
もとはとえいば乙女たちによる先見の明によって
日本で火がついたバンドがクイーン。
そんなクイーンのアルバムでこの4枚目を選んだのは
言わずもがなの名曲「BOHEMIAN RAPSODY」が入っているからです。

Queen – Bohemian Rhapsody

The Kick Inside:Kate Bush


ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに見出された十代のケイトは
このデヴューアルバムでいきなりスター街道へ突き進む。
以後「ロック史上、誰よりも大きな影響を与えてきた女性アーティスト」へと成長。
そんじょそこらのお嬢さんとはワケが違うのだ。
官能と狂気をひめた魔物語を歌うケイトの伸びやかな歌声が
ドラマチックに刺さってくる。

翼 武満徹ポップ・ソングス:石川セリ


「八月の濡れた砂」でデビューした
乙女座生まれの陽水さんの奥方石川セリが
あの武満さんの楽曲に挑戦した野心作。
ポップスというよりどこか
映画音楽のような雰囲気を醸し出している。
乙女をすぎた大人の魅力が
妖しくもあり、
無邪気にも響く。

石川セリ“死んだ男の残したものは”

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