映画・俳優

『昼顔』1967 ルイス・ブニュエル文学・作家・本

ルイス・ブニュエルの『昼顔』をめぐって

『昼顔』では、まさにそんなドヌーブの艶を 単なるエロティシズム以上のものとして漂わせている。 美しい肉体と品のある眼差し、そしてモード。 この時ドヌーブ24歳。 すでにロジェ・ヴァディムとの恋、そして出産、 そして姉フランソワーズの死を実生活で受け止めながら、 まさに女としての艶が開花してゆくドヌーブは すでにこの映画的な官能のムードを ナチュラルに作り上げているのは素晴らしい。

『last tango in paris』1972 ベルナルド・ベルトルッチ映画・俳優

ベルナルド・ベルトルッチ『ラストタンゴ・イン・パリ』をめぐって

まず『ラストタンゴ・イン・パリ』の強烈なインパクトを、 どうにもこうにも抗えない悪夢のように、 多感な映画的感性の神経の溝をじっとりと湿らせ、 あるいはヒリヒリとした後味でもって刺激されたことを、 いまなお手に取るように覚えている身としては、 こいつをまず肴に、御題目を唱えないわけにはいかない。

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.15映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.15

そんなわけで、春たけなわの今、 個人の趣味的範疇において、エロティシズム漂う映画について考察してみよう、 そんな欲望がにょきっと頭をもたげている。 それは必ずしも、直接的でない表現かもしれないし 言葉に依存したエロというものかもしれない。 単に個人的なエロスの観点がさらされるだけだが ひとついえることは、それらが滲ませるエロティシズムは とても興味深いのものだということだ。 人間の生の営みのなかに存在する官能性を喚起するものである

Stop Making Sense 1984 Jonathan Demme映画・俳優

トーキング・ヘッズ『Stop Making Sense』をめぐって

兎にも角にも、デヴィッド・バーンが最高にかっこいい。 だぶだぶの肩幅の広いビッグ・スーツに、クネクネダンス。 舞台を馳け廻る元気印は、 当時のクリエーターたち、クリエイティブ志向の人間を熱狂させ、 狂喜乱舞させたものだった。 しかも、映像も文句無しにカッコいい。 ラフなセットから、徐々に出来上がって行く、なんとも洒落た構成だ。