映画・俳優

お父さんのバックドロップ 2003文学・作家・本

中島らも『お父さんのバックドロップ』をめぐって

こういう親子ドラマというのが、実は好きだったりする。 お祖父ちゃん役のチャンバラトリオ、南方英二もいい味を出している。 昭和であれば、こういうドラマがいくつもあったし それをテレビを通じてふんだんに見て育ってきたのである。 最近じゃなかなかみられなくなっているというのもあるが、 これはこれで、しっかり笑いとペーソスが噛み合った情的ドラマである。 はっきりいってB級もB級ではあるが、そこは単なるB級には終わらない、 らも節というものが、随所に流れているのだ。

小さな恋のメロディ 1971 ワリス・フセイン映画・俳優

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』をめぐって

誰にだってどうしても忘れられない、そして外せない映画というものがある。 といえば、そのなかに『小さな恋のメロディ』をあげぬわけにはいかない。 そう、ちょうど、メロディが金魚を公共の水場に解き放って眺めるシーンのように、 ただただその光景を眺めてみていたいのだ。 蓮華の花咲く野原を、どこまでも手押しトロッコで 地平線に向かって遠のいてゆくあのラストシーン。 そんな二人の姿を、ずっとずっと見ていたかったのだ。 そこは理屈じゃないのである