2018年8月11日~9月24日 伊丹市立美術館「みんなのレオ・レオーニ展」よりアート・デザイン・写真

レオ・レオーニのこと

青と黄色がまざれば緑になる。 べつに絵描きやデザイナーでなくとも、 それぐらいのことは、知っていることなんだけれども わざわざ、視覚化して、それを絵本を通じてみると、 ほお、そうだよね、そうだったよね、面白いね、ってな感じで なんだか、理屈ぬきで楽しくなってきて 幸せな気分が押し寄せてくるのだから不思議である。 レオ・レオーニのよる絵本『あおくんときいろちゃん』についての話である。

大竹伸朗「ジャリおじさん」アート・デザイン・写真

大竹伸朗『ジャリおじさん』のこと

理屈や常識で測り得ないものを、 ひたすら衝動とその熱情とともに放出するスタイルを貫いてきた 大竹伸朗という一人の異端なアーティストが、ふと立ち止まって海を見ている、 そんな絵本でもある。 そこに子供たちに向けたメッセージを絵本に認めた。 それが『ジャリおじさん』であり、合言葉「ジャリジャリこんにちは」を発して 出会う人間たちに、どこまでも不思議なコミュ力をもって伝播してゆくのだろう。

「すてきな三にんぐみ」トミー・ウンゲラアート・デザイン・写真

トミー・ウンゲラー『すてきな三にんぐみ』のこと

幾つになっても絵本はいいなと思う。 でも、絵本ならなんでもいいというわけじゃない。 素敵な絵と出会えるか? 素敵な言葉が聞こえてくるか? 理屈じゃない。 複雑でもなんでもない。 ただただ感性を開いて、心と目をひらけばいいだけだ。 トミー・ウンゲラーの名作『すてきな三にんぐみ』という絵本も またそういう絵本だ。

This is Munichアート・デザイン・写真

ミロスラフ・サセック『This Is〜』シリーズのこと

ところで、ミロスラフ・サセックというイラストレーターが描いた 『This Is〜』シリーズがとても好きなのだが、 そのことを書こうと思っていたにも関わらず、 サセックという人の情報はというと 未だほとんど入手できていない。 いまから100年前のチェコスロヴァキア、プラハ生まれで チェコで建築を勉強した後、 パリへ出てボザールで美術を学ぶ。 地元へ戻って出版社で働くが 世界の都市を自分の足で歩き、目で見たものを描いて その国の文化や暮らしを伝える絵本を残した人。 せいぜいその程度の情報しかない。 個人的な資質やエピソードなどは不明である。

Květa Pacovská 1928〜アート・デザイン・写真

クヴィエタ・パツォウスカーのこと

初めてパツォウスカーの絵を見たとき、 それが絵本だなんて思わなかった。 抽象画、アブストラクトな面白い感性のイラストだと思った。 しかし、そこには言葉ではない言葉があり、 何やらこちらに語りかけてくるような そんな無邪気な親しみをも感じたものだった。 一つ一つの絵だけを眺めていると抽象的すぎるのだが、 それらを眺めているうちにいつの間にか 不思議の国に招待されている自分がいるのだ。