アンリ=カルティエ・ブレッソンをめぐって
ライカというと、真っ先に思い浮かんだのが、 アンリ=カルティエ・ブレッソン、 フランスの著名な写真家であることは言うまでもない。 写真家集団「マグナム・フォト」で有名だ。 “決定的瞬間”をカメラで切り取ることに長けた写真家ではあり、 それらの写真もとても魅力的なのだが、 ここでは、むしろ、そうした観点をはなれ、 我々日本人には馴染みのある 日本座敷の静謐な一枚を巡って、考察して見よう。
ライカというと、真っ先に思い浮かんだのが、 アンリ=カルティエ・ブレッソン、 フランスの著名な写真家であることは言うまでもない。 写真家集団「マグナム・フォト」で有名だ。 “決定的瞬間”をカメラで切り取ることに長けた写真家ではあり、 それらの写真もとても魅力的なのだが、 ここでは、むしろ、そうした観点をはなれ、 我々日本人には馴染みのある 日本座敷の静謐な一枚を巡って、考察して見よう。
カミーラ・コフラーこと、 ウィーン生まれのハンガリー人イーラは、 ぼくが好きな女性動物写真家で、 パリで世界で初めての「動物ポートレート専門スタジオ」を開いたあと アメリカNYにわたって動物写真を撮り続けた人だ。 その後念願のアフリカに滞在して野生動物を撮り始めるに至るが 不慮の事故で命を落としてしまう。 そんな根っからの動物愛がもたらした奇跡のような動物写真は 現代のあざとい眼差しなどとは無縁でどこまでも気持ちがいい。 その純粋かつ野心的なカメラアイは 今でも多くの人を魅了し続けているのもうなづける。
牛腸茂雄という、ちょっと変わった名前の写真家がいました。 「ごちょう」と読む珍しい名字ですね。 新潟に多いと聞きますが、当人は新潟県加茂市出身、 高校卒業後に上京し、桑沢デザイン研究所で、 あの武満徹なども在籍した実験工房のメンバーの一人だった 大辻清司に写真を学びます。 3歳から胸椎カリエスという奇病を患っていたがゆえに、 若くして他界されているのですが、 ありがたいことに、残された写真は 写真集『SELF & OTHERS』を通して 彼の人となりを朧げながらに見ることが出来ます。
「写真」とは、「ほら」、「ね」、「これですよ」を交互に繰り返す、一種の歌に他ならない。 『明るい部屋』みすず書店 ロラン・バルト(花輪光訳)より 写真というものについて、日々撮るのに夢中な人は増えたと思うが、果たして、何...
岡本太郎の魂を受け継ぐこの巨大なモニュメントは、 1970年の万博に登場して以来、 約半世紀にも及ぶ年月を千里の荒野に 超然とひとり屹立しながらも 時の移ろいの前にも微動だにしない強さがあり、 何度見上げてもいまだに この僕に生きる勇気を与えてくれる 永遠の存在なのである。
幕末から明治維新の動乱期にかけて活躍した画家に 河鍋暁斎という異端の画家がいる。 画狂人北斎、画遊人若冲に 一歩もひけをとらぬ個性を有した人である。
フランスにアラン・ジュフロワという美術評論家がいた。 6年前の2015年にすでにこの世をさっている。 評論家、というよりは詩人といった方が正しいだろう。 ぼくにとっては、この出会いこそは一つの啓示のようなものだった。 まるで雷にうたれると同時に また、雨に濡れる官能を知ったときのような 不思議な歓びと驚きといった、 いくぶん大げさな感慨をもつ書物というものがあって、 まさにジュフロワの『視覚の革命』にはものすごく感銘を受けたのだった。
「前衛(アヴァンギャルド)」というキーワードから 満を持して引っ張り出してきた『アンダルシアの犬』について、 今から約1世紀近くも前のこのあられもない映画を見たあなたは、 居ても立っても居られず、その感想をグダグダの解説でもって おっ始めようというところじゃないだろうか? しかし、そんな事をしたところで、 おそらく何にも伝わりはしませんよ。 むしろ、誤解を招くだけですから、悪いことは言いません、 そこは素直に、悪夢を見た、とでも言って流しておきなさい。 言ってみれば、結論はそういうことでしかないのである。
さすが、チェコという国は かつてカフカを産出しただけあって この手の不条理ナンセンスに長けた作家を多数輩出している。 そのチェコを代表するヤン・シュヴァンクマイエルは 美術家というべきか 映画作家というべきか、 はたまたアニメーターというべきか 何れにしてもシュルレアリスティックな作風で 狂気とユーモアとカオスを併せ持つ独自の世界感で 我々をたちまち魅了する錬金術師である。
シュプレマティズム。 午後3時のちょっとしたブレイクタイムなんかに 考えるようなことじゃないのかもしれない。 そう、マレービッチの無対象性、あるいは絶対主義について。 シュプレマティズムなんて言われて すぐにピンとくる人は、相当な美術通、芸術通なんだと思う。 知っているからといって、なんのトクもないことだけは間違いない。