ムリーリョに洗われて
スペイン最高の画家のひとりと称される ムリーリョという画家をご存知だろうか? 絵が好きな人なら、美術史に明るい人なら そんな野暮なことを聞くなといわれてしまいそうだが その代表作「蚤をとる少年」を ここの流れでいきなり好きだといっても、 唐突だと思われるかもしれない。
アート・デザイン・写真スペイン最高の画家のひとりと称される ムリーリョという画家をご存知だろうか? 絵が好きな人なら、美術史に明るい人なら そんな野暮なことを聞くなといわれてしまいそうだが その代表作「蚤をとる少年」を ここの流れでいきなり好きだといっても、 唐突だと思われるかもしれない。
アート・デザイン・写真僕は絵の可能性、一枚の絵の魅力に取り憑かれた人間というだけだ。 絵描きという存在の復権を願って、ここに美術史の中から なんの脈略もなく、心に留まった画家を拾い集め 個人的な思入れを書いてみよう。 あえて、絵というものに終始固執した画家たちについて取り上げてみよう。 僕にとってはそうした絵描きは憧れであり、同志であり、夢先案内人だ。
アート・デザイン・写真今、手元にある一冊の写真集を眺めている。 森村泰昌による『全女優』というタイトルの それこそ、究極の女装写真集である。 ドヌーブ、ヘップバーン、モンロー、ガルボ ・・・ そんじょそこらにいる佳人とは比べようのないオーラを放つ美の化身達。 大胆にそんな美のアイコン達になりすましてしまう氏の技は もはや芸術を超えた忍術の域である。 よって、当然趣味の世界という偏狭な枠組みのみで語るつもりはない。 また、芸術という高みにわざわざ同行する意思もない。 ここに、わざわざ美を見出すかどうかはさておき、 眺めていると不思議な高揚感が湧いてくる。 自分ができないことを、目の前のアーティストが一人、 可能な限りのアプローチで個々の女優に近づこうとする行為。 その行為は実に圧巻であり、神々しい。 審美を超えた、何物かであり 言葉より先に、網膜がひたすら圧倒される。 なんだろうか、このエネルギーは。
アート・デザイン・写真あくまでイメージに過ぎなかった「バベルの塔」を しっかりこの眼で拝むことが出来たのは 実にファンタスティックな出来事だったと言える。 それにしても一枚の絵がこれほどまでに壮大なロマンを持ち得ることに 改めて感動を覚えずにはいられない。 とりわけこの東京芸大プロジェクトによる 300%の復元版の風格は凄まじいものだった。 (高さ340cm立体版「バベルの塔」もあるのだ!) ボイマンス美術館所有の原寸「ブリューゲル版」とでは 印象がまるで違うのだ。 ブリューゲル版は鑑賞用という前に、 板に描かれた油絵を何百年もの間後生大事に それこそ腫れ物に触るように、神経をとがらせて保管されてきた代物だろうし、 サイズもさほど大きくなく1mにも満たない、 いうなれば室内展示用のものだ。
アート・デザイン・写真アンディ・ゴールズワージーは、 自然界にあるマテリアルを使って一期一会の作品を作り、 その場をまるごと写真に記録するアーティストである。 それはまるで、鳥や虫たちの営みのように、 おごりなき所作で作られる。 自然との対話=行為を作品とする人。まさに神の遣いだ。
アート・デザイン・写真流れゆく雲、廃屋のようなセット、 水溜りに浮かんだ顔が風で震える。 白い馬。そして子供と老人。 「i(私)」と書かれた風船が空に舞う…… イメージの断章、それは記憶の中の一風景なのだろうか。 ミュージシャンのポートレイトでその名を知られ、 数々のミュージッククリップや映画をも手掛けている オランダ人の写真家アントン・コービン、 そのプロデュースによるデヴィッド・シルヴィアンのシングル 「Red Guitar」(1984)でのモノクロームのクリップビデオに登場するのは、 英国の写真家、変わり種アンガス・マックベインという老人である。
アート・デザイン・写真流れゆく雲、廃屋のようなセット、 水溜りに浮かんだ顔が風で震える。 白い馬。そして子供と老人。 「i(私)」と書かれた風船が空に舞う…… イメージの断章、それは記憶の中の一風景なのだろうか。 ミュージシャンのポートレイトでその名を知られ、 数々のミュージッククリップや映画をも手掛けている オランダ人の写真家アントン・コービン、 そのプロデュースによるデヴィッド・シルヴィアンのシングル 「Red Guitar」(1984)でのモノクロームのクリップビデオに登場するのは、 英国の写真家、変わり種アンガス・マックベインという老人である。
アート・デザイン・写真そうして、コ-ネルそのひとの真実に目をむけはじめれば、 おびただしい童心のイマージュに胸踊ると同時に、 たえず無垢なる世界観を渇望し、 自分よりも幼いものたちへの慈しみや愛情を、 生涯持ちつづけた人物であったことを あらためて知ることになるだろう。
アート・デザイン・写真大型ポラロイドを用いたこのマン・レイシリーズ「MAN'S BEST FRIEND」は、 ウェグマン自身の傑作というだけではなく、 犬と人間の驚くべきコラボレーションのドキュメントとして、 思わずにっこり、おもわずふむふむ、 なにかと気を惹かずにはいられない。
アート・デザイン・写真だからここで言及するのは、あくまで個人的な嗜好に基づいた偏愛的関心でしかない。それは心を豊かにし、ウキウキさせ、時に人生そのものに対する見識を深めることができるものばかりだ。何より、それが自分がアートというものに抱いている感情の源泉なのである。