チルアウト、ひとりごちる

チルアウト

やはり、おおげさだが灼熱は人類の天敵だ。
こんな炎天下の下でオリンピックとは、
別の意味で、正気の沙汰だろうか? と思うのは普通の考えだ。
いったん陽が落ちてからやればいいんじゃない?
そう思うが、そうもいかないらしい。

自然に対しては無防備でも、
頭を使えばなんとかなるはずだ。
とにかく、物事は冷静に。
そこで、いったん頭を冷やすとしよう。
ここではそのお供であるチルアウトなミュージックを
とりあえずセレクトしてみよう。
昔から愛聴しているしているものもあれば
最近とみによく聞くようになったものや
通常のルートでは手に入らないものまで
ランダムに選んでみた。
今回はアルバムを丸ごとセレクトしてみた。
どのアルバムでもいい、
ターンテーブルでも、PCでもなんでもかまわないから
再生をお勧めする。

こうした音楽のおかげで、
干乾びず、熱に冒されることもなく、
なんとか最低限快適さを保った夏を過ごすことができていると
自分は思うのだ。

我が家のチルアウトミュージック定番セレクション:其の壱

ミュージック・フォー・アストロ・エイジヤン富田

クラブ・シーンから歌謡曲まで
あるいは日本のヒップホップ・プロデューサーとしての
第一人者であるヤン富田による
サン・ラやジョン・ケージへのカバーを含むモンドミュージックは
宇宙との交信といっていいスペーシーなトロピカリズモが展開されている
夏にもっともふさわしい楽器。
スティールパンの響きがなんとも心地よい名盤だ。

カイ・ティリコティ :ショナの伝統~ンビラ奏者たち

ジンバブエのショナ族の間で演奏される
通称親指ピアノ、カリンバの名称で知られるンビラ。
その卓越した演奏で、多くの支持を受ける
ガリカイ・ティリコティのサウンドは
アフリカの大地の大らかさとあたたかさを携えながらも
どこか涼しげに、心地よく
まるで大地の子守唄のような響きで癒してくれる。

COOL MUSIC :WATER MELON GROUP

実にクールな避暑地フィーリングを体験させてくれる。
文字通り、我が家の永久保存版、夏の定番だ。
夏といえばこれ。
これを聞かなくちゃ夏がこない。
ぼくにとっては、世間でいうチューブのようなところの存在です。
どんな世間だっつうの。
夏を狙って暑苦しい歌作るなよな、ったく。
こちらはプラスティックス~メロンを続く中西俊夫のプロジェクト。
ヤン富田のスティールパンをフィーチャーしながら
屋敷豪太も参加しているアルバム。
マーティン・デニーをはじめとするエキゾティッカのカバーに
オリジナルを加えた避暑地モンドミュージックの決定版。
夏の音楽、というか、たまたま合うんですよ。
まさにスイカのような音楽というわけです。

The Very Best of Martin Denny:Martin Denny

YMOのカバーによって、
日本でもずいぶん認知されるようになったマーティンデニー。
白人による疑似南国フィーリングでその名をとどろかせた
エキゾティックミュージックの王様は
単なるムードミュージックではない。
昨今のエレクトロニカ的解釈によるエキゾティッカもいいが
生楽器による本家の音はどこまでもモダンだ。

Music From The Penguin Cafe:The Penguin Cafe Orchestra

1976年にブライアン・イーノのオブスキュア・レーベルよりデビューした
故サイモン・ジェフス率いるペンギン・カフェ・オーケストラ。
ポストクラッシク、ポスト環境音楽として
まさに、インテリジェンスとユーモアを織り交ぜた
クールなインストゥルメンタルを展開した。
キュートなペンギンのイメージがまじりあった避暑地に最適な一枚。
アルバムのペンギン人間がさらに不可思議さを醸し出している、
アートアンビエントミュージック。

Aguas Da Amazonia::Uakti Philip Glass

いろんなへんてこな創作楽器を演奏するというと、
ハリ-・パーチなんかを思い起こさせるけど、
自作楽器を演奏するブラジルのグループウアクチは、
親しみやすさと不思議な感覚を共存している。
ミナス・ジェライス州を拠点とする点で
ミルトン・ナシメントとの共演によりその名が知れ渡るようになった。
独特のまあるくやさしい打楽器の音色や
ユーモラスな笛などの音色によるミニマル・ミュージックは
ブラジルインディオの神話に現れる不思議な生き物から名付けられたように
ブラジル音楽の豊かさな物語性を感じさせる。
アマゾンの水をテーマに、フィリップ・グラスの作品に挑戦しているが、
この不思議な気持ち良さはもうシンプルドラッグ。
曲名に河の名前がついてるけど、違いがこれじゃあわかんないけれども。

Tropical Songs Gold:Pacific 231

*機関車好きのフランス作曲家のオネゲルの楽曲名から名付けられた
蓮実重臣と三宅剛正によるサウンドチームPacific 231。
元は蒸気機関車の車軸配置が
先軸、動輪、後軸の軸数が2・3・1であることに由来している。
その記念すべきファーストは、単に心地よいだけではなく
架空のサウンドトラックと言っていいエキゾチズムと
ひねりの効いたモダンサウンドとして
今こそ再評価されてもいい名盤だ。

DANZINDAN-POJIDON:INOYAMALAND

元ヒカシューのメンバーだった井上誠と山下康による
テクノ・アンビエントユニットで
80年代に細野晴臣プロデュースでデビュー。
世界的に再評価が高まっている日本のテクノのなかで
環境音楽の黎明期に発表された究極の避暑地アンビエント。
ROVOやDUB SQUADのメンバー益子樹によるリマスター版がこれ。
環境音楽といってしまえばなんだか味けないが
今聞いても新鮮で心地よい。
奥村氏によるジャケットも素晴らしい。

KEDACO SOUNDS:Little Tempo

海、太陽、風。
そして人間と風景、それらが交差する音楽を作り続けるリトルテンポ。
ある意味もっとも日本的なダブバンドだといえる。
すでに二十枚近いリーダーアルバムがリリースされてるが
どれをとっても心地よさ、安定したクオリティが保たれている。
とくに夏に特化するまもないが
やはり灼熱の太陽のもとで聴くのが
もっともふさわしい気がする音楽だ。

Degung-Sabilulungan: Sundanese Music of West Java, Vol. 2:Suara Parahiangan:

今は亡き中村とうよう氏のスープレーベルから
リリースされていたインドネシアスンダ地方の宮廷ガムラン音楽。
ここにはレコード盤を所有しているのだが
CDを含め現在入手困難な状況なので、
その代りのものを探してみた。
録音に多少の違いはあるが、
相変わらずエキゾチックなガムランの響きにうっとりする。
まさにこれぞエキゾチックララバイだ。

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