お正月をのんびり過ごすためのプレイリスト

まずは、一発目のモーニングコーヒーを淹れ
ゆっくり湯気の上がる様を見つめている。

さて、正月ぐらいのんびりと、なのか
正月だからのんびりと、なのかはさておき、
心地よいハーモニー、波動を保つことに越したことはありません。
自分なりにせよ、のんびり生活に欠かせないのは
まちがいなく、音楽の力を借りねばなりませぬ。
音楽こそは、のんびりライフの強〜い味方なり。
でも、正月だからって、テレビと寝正月、なんてえのは
今時流行らない、てーか勿体無い。

というわけで、  お正月を感じながらも
自分という個性を見失わず、
のんびり快適に過ごせる音楽をセレクトしてみました。
単なるのんびりなら、チルアウトやアンビエントなど
その手のジャンルに特化すれば事足りるのだけれど、
日本には日本ならではの風土、風習があり
その意味では、いい部分や特性を損なわずに、
お正月に身を委ねることができればと、
選曲してまいりましょう。

The Beatles:Here Comes The Sun

新年はまず、太陽を拝まぬことには始まりますまい。
てな訳で、ビートルズ、ジョージ・ハリソンの名曲
「Here Comes The Sun」で幕を開けましょうか。
そう、太陽さえ昇れば、全てがうまくいくのです。
これは宗教ではないけれど、
心がピースフルになれるナンバーでもあります。
この言わずもがなの名盤『ABBEY ROAD』からのナンバーですが、
ジャケットを含め、もっとも大好きなビートルズアルバムであります。

Here comes the sun,
and I say It’s all right

作詞作曲 GEORGE HARRISON

Yas-Kaz:Jungle Book

まほろばの世界と申しましょうか。
これはあの山海塾の『縄文頌』というダンスパフォーマンスのための音楽の中の一曲。
瞑想するもよし、リラックスするもよし、
独創性に啓発されるもよし、
自分の中に眠るDNAに訴えかけるような
根源的な旋律が実に心になじむ曲ではないでしょうか。

Michiyo Yagi: Deep Green Sea 

日本人たるもの、新年に箏の音色を聞かねば、
なんていう強迫観念も使命感もどこにもありませんが、
やはり身体に馴染んでいる音色であることは間違いありません。
でも、商店街などで流されるあの安っぽいBGMの音色は好きじゃないな。
むしろ興ざめしてる。
その意味で、八木美智依という箏プレーヤーの音は本物だ。
日本が誇れる音を世界に発信している稀有なアーティストである。

安東ウメ子:イフンケ

アイヌという言葉には「人間」という意味があるそうだ。
しかし、どこまでアイヌについて知ってるのか、と言われると言葉に困る。
この素晴らしい安東ウメ子さんの歌を知ってから
まるで子守唄のように聴いているという事実ぐらいしか胸をはって言えないが、
そのアイヌの伝統的な弦楽器トンコリの音色が
どこか箏のサウンドと似ているから、というような
単純なことではないのだろうけれども、
まさに三が日に聴くと実に改まった気持ちになってくるから面白い。
これまたDNAレベルで、実に懐かしさが募ってくる音である。

Laurie Anderson : KOKOKU

お正月ということもあって、
琴の音を思い巡らせていてこの曲のことを思い出しました。
知性溢れるローリーのアルバム『Mr.Heartbreak』から。
よって、エキゾチシズムといってもちょっと不思議な近代性を感じさせる、
西洋人的な東洋解釈というわけですが
やっぱり気持ちいいことには変わりがなく
お正月チルアウトな一曲でございます。

坂本龍一 :ぼくのかけら

日本のお正月の雰囲気があると言えばあるし
ないと言えばないのかもしれない。
和太鼓の響き、旋律の中の東洋性。
ぼくのかけら、すなわち遺伝子レベル喚起力。
まあ、小難しいことはなんだって言えるんだけど
このテンポは鼓動に優しく、
つぶやくような、ささやくような
ヘタヘタではあるけれど、教授の歌もどこか味があって好きなナンバー。
とんがっている曲に挟まれてはいるけれど、
このほのぼの感がまたいいのだ。

Japan:Canton

ジャパンの最後スタジオアルバムにして
最高傑作と言われた 『TIN DRUM』に収録の
この「CANTON」というインストナンバーは
いわばなんちゃってシノワズリミュージックだ。
要するに、西洋から見たニセ東洋的解釈な訳だけど
妙に日本人としてホッとできるムードがあるのだな。
本家中国のお正月は来月だけど、
でもなんか日本のお正月のイメージにも近いからあら不思議。

Compostela: くつやのマルチン

『Sign Of 1 1の知らせ』より 「チンドン」とお正月。
これも実にフィット感があります。
篠田昌己のコンポステラの楽曲を
いつもこのお正月のどさくさ紛れに聴いている気がします。
「チンドン」、つまりはチンドン屋さんのことですが
その昔は街中でよく見かけたものだけど、
今じゃノスタルジックな記憶のなかの風景にあるだけ。
正月ぐらいはのんびり、そんな気分に浸っていたいな。

David Bowie : Crystal Japan

日本のことが大好きだったボウイ。
とりわけ京都を愛し、正伝寺の枯山水を眺めながら涙を流したとか。
若い時から仏教へ傾倒し、ヘタな日本人よりも
東洋思想に通じていた稀有なアーティスト。
まあこれはサントリーのコマーシャルに使われた楽曲ですが、
こいつをバックに、焼酎をロックでちびりちびりやる
ってのもいいかもしれないな。

Moon Dog:FUJIYAMA

ニューヨークに、かつてムーンドッグことルイス・トーマス・ハーディンという
ユニークな作曲家、というか詩人というか、
パフォーマーというべきか 、がいた。
残されている音源を聞くとなんだか不思議な気分になるのだけれど、
奥さんが日本人だったせいか、なぜだか和ごころを感じてしょうがない。
その名も「FUJIYAMA」という曲にもそのエッセンスが十分漂っている気がします。

Water melon group:Gate of Japonesian

ラストチューンはこの曲で。
EXプラスチックスのトシ&チカが結成した伝説のグループ
MELONの曲から「Gate of Japonesian」。
どちらかというと、避暑地ミュージックで一世風靡したアルバムで、
夏に聴くと気持ちいいのは間違いないんだけど、
まあ、お正月という別空間で聴くのも悪くはないと思いますね。
フェイクジャポネシア万歳!

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