ここに列挙する音楽は、もう身体にしみこんでしまってるものばかりだ。
だから、書を捨てて街に出よう、じゃないけど
音楽を捨てて街にでたところで、その刻印は消えることはない。
でもねえ、やっぱり音楽は必要だから
聴いていたいという思いは変わりませんね。
そして、音楽とともに、季節感を楽しみたい。
ただそれだけさ。
風街ろまん:はっぴいえんど
Songs to Remember:The Scritti Politti
まずはグリーン・ガートサイド率いる、
スクリッティ・ポリッティのファーストアルバムから。
ラフトレードレーベルのカラーであるアコースティックサウンドが、新鮮に感じるほど、次の”Cupid & Psyche 85″は
打って変わって打ち込みダンスミュージックだった。
それはそれで悪かないんだけどさ、
ソーダ水のように爽やか明朗なこのスクポリが
やっぱり好きなのですよねえ。
それにしても、かっこいいバンド名だな。
PUZZLE:TAHITI80
フランスのノルマンディー出身のグザヴィエが結成した
フレンチなまりの英語が心をくすぐる軽快なポップミュージック。
小山田圭吾の選曲したコンピレーションに収録されたことから
日本で火がついた渋谷系フランス支店のムードはまさに春にふさわしい。
天気のいい日にはよく「HEARTBEAT」が頭の中に鳴っているのです。
What,Me worry? ボク大丈夫 :高橋幸宏
数あるユキヒロ氏の名盤のなかで、
昔からよく聞いているアルバム。
YMO〜80年代のニューウェーブな雰囲気が色濃く反映されるなか、メロディーメイカーとしての才能はこの頃から健在。
英語のタイトルも大好きな一枚。
BOSSA NOVA BACCHANAL:Charlie Rouse
ハード・バップ・サックス奏者ということらしいけど
このアルバムぐらいしか聴いたことがない
テナーサキソフォニスト、チャーリー・ラウズの
1962年のブルーノートからリリースされたアルバム。
さすがにセロニアス・モンクのグループでもまれていただけに
そのあたりのモダンな香りがボッサの軽妙なリズム感にのって
ご機嫌かつリラックスさせてくれる名盤。
The Bird & the Bee:The Bird & the Bee
リトル・フィートのローウェル・ジョージの娘さんイナラ・ジョージ。
そんな血筋からすると、これは意外なエレクトロニカ路線だけれど、これはこれで不思議な浮遊感があり、はまっている。
牧歌的な中にキラリ光る音楽センスはさすがローウェルの娘だけある。
この他、ホール&オーツのトリビュート盤も素晴らしいんだ。
リトル・フィートの曲をやらないのかな?
左うでの夢 :坂本龍一
とんがってたころの教授。カルチャーを背負っていた頃の教授にはなにかと華があった。「左うでの夢」はその頃の一枚だけど、アルバムタイトルにも、尖った思想の一部があらわれている。教授のヘタウマ?ソングが大々的にフィーチャーされてはいるが、曲調はニューウエイブと呼ばれるにふさわしく、クリムゾンのエイドリアン・ブリューやロビン・スコットを迎えて。当時の先鋭的なエレクトロニックミュージックをやっている。
ただいま。:矢野顕子
春と言えばこの曲がどうしても聴きたくなる。
そう、糸井重里ーアッコちゃんラインの最大のヒット曲「春咲小紅」を収録する
このアルバムを上げておこう。
当然YMOのメンバーも参加しているので
その影響下にあるのだが、やはりあの歌は誰にも真似できない。
日本のポップミュージック界の国宝の一人だ。
元祖ヘタウマのイラストレーター兼デザイナーの湯村輝彦の
ジャケットも懐かしい時代の空気を伝えていると思うな。
野生の思考:菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
現代音楽にしては甘すぎるし、ラウンジにしては刺激的すぎる。
ジャンルはともかくとして、このムードには
春の夜更けに傾けるワイングラスなどが似合うかもしれない。
何も春は昼だけのものでもないし、
夜には夜の享楽があっていい。
なんならお好きなエクリチュールのお供でも構わない。
ゴダールの『はなればなれ』から細野晴臣の『Femme Fatale』まで
部屋の空気を一変してしまう菊地マジックを堪能あれ。
yanokami:yanokami
アッコちゃんとレイくんのそれぞれのアルバムで
どうしても入れたいアルバムがあるんだけれど
ここでは、二人のプロジェクトであるヤノカミを取り上げておきましょう。
説明は不要だと思う。
特に季節感があると言うわけではないけど
エレクトロニカと歌物の見事な融合がここにありましょう。
こうやってみると、結局僕はYMOチルドレンだという思いを改めて実感するのです、
でも本当のことだからしょうがないよね・・・
飽きないね。
季節関連の曲がなんとなく多い気がしているのが
日本語ロックのルーツ「はっぴいえんど」で
やはり、春といえば真っ先に聴きたくなるのはしょうがない。
というか、なんだかんだ、年がら年中聴いている気がするけれど、さて、どのアルバムを選ぶか、普通にいえばこれしかない。
あまりにもベタすぎるが、これもまたしょうがない。