ロピュ家の定番セレクションPart2
オレの話を聞けっ。じゃなくて、オレの定番を聞いてみて、とおねだりするまでもなく、元から名盤ばかりだから、なにもここで声を張ってもしょうがないか。
Comme une radio/Brigitte Fontaine
サラヴァの名盤といえば、まずこれが浮かぶ。アート・アンサンブル・オブ・シカゴを巻き込んでの文字通り、騙しなしの魂のフリーミュージック。若々しきブリジットさん、それからはや30年たってもまったく色褪せない。演劇の国フランスならではの香り。音楽=物語=人生・・・・ラヂオのように、魔法の音楽がブリジット泉からこんこんと沸き出してきますねぇ。
The Heart of Saturday Night/Tom Waits
酔いどれおいちゃんトム・ウェイツの音楽に駄作を知らない。どれどれどおれ、とひっぱりだすのはこれ。土曜日の夜、ひとりさみしきゃこれを聴くべし。人生に引っかかったら、よれた靴をひっかけ、安い酒をひっかけ、陽気な女をひっかけ、そしてバラ色の明日を引っ掛けてみよう。それにはひとつ大人にならなきゃいけねえし、ほんものの男になんなきゃね。まずは粋なストーリーテラ-、トムの待つブルース酒場へGO!
Nothing can stop us/Robert Wyatt
究極の贅沢、手にしたものは世の幸せものだ! ね、だろう? うむ。純な魂には純な歌声を。クリスマスプレゼントに迷ったら、天を仰いでワイアットヴォイスをねだればいい。でも、しんみり来るメロディ、この唄、天使の歌声・・・名曲中の名曲シックの「at last I’m free」さえも、明るくて切ない。大人のララバイを聴いてすやすや眠るはずも‥‥しみじみしちゃあ、ねむれねえじゃあねえかよぉ。
Talking Book /Stevie Wonder
あいているのに目が見えないひとと、とじているのによく見えるひとがいるのが世の中というものですな。こころの目をひらいたら、きっとすてきな世界が見えてくるにちがいない。それができるひと、わかるひとは賢者。暗闇に太陽を、君こそは我が太陽! それはひとつのワンダー(驚き)というやつですかな、ハイ。これってほんまいいアルバムやわ。で素敵なワンダーランドに乾杯。
Avalon/Roxy Music
大人の音楽だねぇ・・・といいつつも、初めて聴いた時はまだまだ子供でござったな。でも、ガキでも渋さぐらいわかるさ。けばけばロクシーじゃなくても、こりゃぁセクシー、そして音のエクスタシー、最後は波の音にてフェイドアウトの粋な計らいにうっトリップミュージック。ダンディなフェリーさんを囲む、必殺仕事人フィル&アンディでの本活動も、これにて休業。心地よさはいかにもナッソ-発の82年作。
STOIRE DE MELODY NELSON/ SERGE GAINSBOURG
数ある名曲ゲンさんのなかで、ドラマティックなこいつが好き。40男と若いロンドン娘の出合いは倒錯的共作「je t’aime moi non plus 」から、そのコンセプトを発展させたメロディ・ネルソンの物語へと漂流のストーリ-。ロック、壮大なオーケストラに呟くようなゲンスブール節がのっかって、ぞくぞくあーたはスカッ、トロ~、ダンディ族? ナボコフを読みながらこれを聴くのがマイブームだった。
AMETRA/UA
哀しくても逃げないで生きてるよ。でもね、いつまでも不幸なんかにしがみつかれるのはごめんだぜ。深みにはまる「哀しみジョニ-」。心には花と虎を。冷めたミルクティさえも、君のことを考えるとハッピーにうまうまなのさ。「Milk Tea」ううあ、こらしみるねぇ。アルバムごとに成長していく女王、よいスタッフに恵まれた真の実力者は、やっぱり虎がにあうわ。雨の荒野を虎にまたがった女サムライ、あめとらが行く。ジャケもグ-。だった。
Berlin/Lou Reed
晩年には健康優良オジ様と化したルーも、なんたって元祖頽廃王子ですからね。この世ででもっとも暗く哀しい頽廃音楽ランキングノミネート作品、証拠は隠滅できませんぜ、旦那。落ち込んだら迎え酒のごとく、迎え音としてこれ聴くのもいいっすよ。一曲目「VISIOUS/背徳」からしびれルー。レザーを握るよりこっちを握って、切なく明るい血染めのレコオドにどっぷり浸かる悲劇の主人公はマゾ? マミ-をもとめて泣叫ぶ『The kids』の一員にくわわってみる?
Sketches of Spain/Miles Davis
赤と黄といえば重厚ドイツじゃなくて、情熱のスペインもの。まるでサントラのように物語がつまっている音楽。コクトーのオルフェにつかわれててもいいぐらい。でも、ジャズとかクラシックとか、4ビート8ビート、はたまた映画音楽とかそんなことどうでもよくない? ギル爺のオーケストラアシストを得るとさらに官能増。究極の哀しさ、ではなくてどっぷりひたりたい哀しさってものがここにはあるんだな。個人的にはマイルス最高傑作、かな。
THE FIRST OF A MILLION KISSES/FAIRGROUND ATTRACTION
野暮な説明はいらないでしょう。ソロになったエディもいいけれど、イギリスのストリートカルチャーから生まれいずったこのアルバムの衝撃は忘れられませんね。ちょうどこの東京にやって来たころのどぎまぎした個人史に現れたる微笑のかけらがこれ。「Perfect」はやはりいい曲だなあ。曇りの日や雨の日を素敵にしてくれる音楽にキスを。エリオット・ア-ウィットの写真がいいね。この音楽街でいっぱいかかってたころ、まだ世の中はいい時代だったなあ。
コメントを残す