マン・レイという芸術家
それにしてもマン・レイとは、なんと運命的な名前だろうか? ネーミングセンスにも味がある。 仮に日本語で「光男」などと訳そうものなら、 ずっこけてしまう微妙さまで漂ってくる。
それにしてもマン・レイとは、なんと運命的な名前だろうか? ネーミングセンスにも味がある。 仮に日本語で「光男」などと訳そうものなら、 ずっこけてしまう微妙さまで漂ってくる。
マン・レイのミューズ、20世紀を代表する女性写真家として知られる、 マダム・マン・レイこと、リー・ミラーについて書くにあたって、 まずは写真家として知られる彼女をめぐって いったいどの写真がリーというアーティストへ 手向けるにふさわしいかを考えてみることから始めよう。
ビル・ブラントの写真を前にするとき 人は、その隠された秘密を紐解きたい欲望が ふつふつと込み上げてくるかもしれない。 けれども、写真をいくら眺めていても ビル・ブラントの文献に目を通していても 秘密があからさまに暴露される訳でもない。 『パースペクテブ・オブ・ヌード』における 各肉体へのクローズアップは、 そうした秘密への鍵として、現前に投げ出されるだけだ。
大型ポラロイドを用いたこのマン・レイシリーズ「MAN'S BEST FRIEND」は、 ウェグマン自身の傑作というだけではなく、 犬と人間の驚くべきコラボレーションのドキュメントとして、 思わずにっこり、おもわずふむふむ、 なにかと気を惹かずにはいられない。