「宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」のあとに
東京ステーションギャラリーでの 『生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』展を観てきたのだが、 予想以上に見応えのある素敵な展覧会だった。 東京ステーションギャラリーならではの渋いチョイスといえる。 むき出しの煉瓦がいかにも手作業の工芸にフィットする。 それを加味して、タイムリーな展覧会だった。 アップリケというと、子どものときに、 お母さんが子供服に動物や花なんかを縫い付けたりするものだから どこか可愛いイメージがあるのだが、 宮脇綾子という人の場合は、母親目線というよりは主婦目線。 野菜や魚といった日常の食材や自然からモティーフを得てフォルムを決定し 趣のある着物地なんかを使って彩ってゆく作家である。 本人の言葉を引用すれば、観察者の視点を素直に反映する。 まずはそこからだ。