ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.17特集

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.17

細野晴臣、というか、はっぴいえんどの名曲「風を集めて」にあるように ぼくはひたすらに風を集める。 そして、大空を駆けたいのです。 何人にも侵害されることのないぼくだけの世界で、 ぼくは風に棲まう自由な魂たちと交感することが歓びなのだ。 そんなわけで、まだ間に合う、風を感じることに特化して ここに特集を組んでみよう。

小さな恋のメロディ 1971 ワリス・フセイン映画・俳優

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』をめぐって

誰にだってどうしても忘れられない、そして外せない映画というものがある。 といえば、そのなかに『小さな恋のメロディ』をあげぬわけにはいかない。 そう、ちょうど、メロディが金魚を公共の水場に解き放って眺めるシーンのように、 ただただその光景を眺めてみていたいのだ。 蓮華の花咲く野原を、どこまでも手押しトロッコで 地平線に向かって遠のいてゆくあのラストシーン。 そんな二人の姿を、ずっとずっと見ていたかったのだ。 そこは理屈じゃないのである

友だちのうちはどこ? 1987 アッバス・キアロスタミ映画・俳優

アッバス・キアロスタミ『友だちの家はどこ?』をめぐって

なんといっていいのか、こんな映画があるのだという思い。 それも全く意識していなかったイランからの贈り物。 イランという国が急に身近になった。 キアロスタミはそれ以後、巨匠の風格を醸し 我が国でもそのスタイルに魅せられ、多くの人に支持された監督である。 残念ながら、3年前の2016年にすでに他界しているが その残された作品は今尚みずみずしい輝きに満ちている。 キアロスタミでなければ撮れない映画ばかりが 燦然と残されている。