アート・デザイン・写真

アート・デザイン・写真

ブリューゲル『バベルの塔』をめぐって

あくまでイメージに過ぎなかった「バベルの塔」を しっかりこの眼で拝むことが出来たのは 実にファンタスティックな出来事だったと言える。 それにしても一枚の絵がこれほどまでに壮大なロマンを持ち得ることに 改めて感動を覚えずにはいられない。 とりわけこの東京芸大プロジェクトによる 300%の復元版の風格は凄まじいものだった。 (高さ340cm立体版「バベルの塔」もあるのだ!) ボイマンス美術館所有の原寸「ブリューゲル版」とでは 印象がまるで違うのだ。 ブリューゲル版は鑑賞用という前に、 板に描かれた油絵を何百年もの間後生大事に それこそ腫れ物に触るように、神経をとがらせて保管されてきた代物だろうし、 サイズもさほど大きくなく1mにも満たない、 いうなれば室内展示用のものだ。

Le Déjeuner en fourrureアート・デザイン・写真

メレット・オッペンハイムをめぐって

流れゆく雲、廃屋のようなセット、 水溜りに浮かんだ顔が風で震える。 白い馬。そして子供と老人。 「i(私)」と書かれた風船が空に舞う…… イメージの断章、それは記憶の中の一風景なのだろうか。 ミュージシャンのポートレイトでその名を知られ、 数々のミュージッククリップや映画をも手掛けている オランダ人の写真家アントン・コービン、 そのプロデュースによるデヴィッド・シルヴィアンのシングル 「Red Guitar」(1984)でのモノクロームのクリップビデオに登場するのは、 英国の写真家、変わり種アンガス・マックベインという老人である。

アート・デザイン・写真

アンガス・マックベインをめぐって

流れゆく雲、廃屋のようなセット、 水溜りに浮かんだ顔が風で震える。 白い馬。そして子供と老人。 「i(私)」と書かれた風船が空に舞う…… イメージの断章、それは記憶の中の一風景なのだろうか。 ミュージシャンのポートレイトでその名を知られ、 数々のミュージッククリップや映画をも手掛けている オランダ人の写真家アントン・コービン、 そのプロデュースによるデヴィッド・シルヴィアンのシングル 「Red Guitar」(1984)でのモノクロームのクリップビデオに登場するのは、 英国の写真家、変わり種アンガス・マックベインという老人である。

アート・デザイン・写真

ロピュマガジン【ろぐでなし】創刊号

人であれ、ペットであれ、物であれ、ひとはなぜゆえにあれほどまでにその対象を偏愛してしまうのだろう? 通常の眼差しをわけもなく凌駕し、その対象へとのめり込むことの情熱。対象を語るということで滲み出してしまう偏愛への序章は、そのまま主体側の個としての資質、いわば重要な側面をすでに表出させているように思える。