ジム・ジャームッシュ『ストレンジャーザンパラダイス』をめぐって
何も起きないパラダイス 何も起きないから退屈ではない。むしろ何も起きないからこそ、生まれる空気というものがある。ぼくたちはそんな日常に生きている。ジム・ジャームッシュの出世作『ストレンジャーザンパラダイス』はまさにそんな...
何も起きないパラダイス 何も起きないから退屈ではない。むしろ何も起きないからこそ、生まれる空気というものがある。ぼくたちはそんな日常に生きている。ジム・ジャームッシュの出世作『ストレンジャーザンパラダイス』はまさにそんな...
内観する存在物としてのボウイ デヴィッド・ボウイ。あの巨大な星が視界から消えてブラックスターとなりて、はや6年の歳月が流れている、この事実の前に、この頃なんとなく無頓着になりつつある。というのも、あのボウイが今仮に生きて...
ジャンルで音楽を聞く習慣のない自分は無意識のうちにブランドやイメージでならちゃんと体系化して聴いていることがあることにふと気づいた。 つまり、ジャズがききたいのではなくズバリECMの音楽が聴きたいのだと。そういうことだ。...
グローバル・デジタル・ライセンスの関係で、ECMレコードの膨大かつ豊穣なディスコグラフィーのすべてがストリーミングで聞けるという事態になって日々、新たな発見に心躍らせている。 なんということだ。これで一生聴く音楽に困らな...
ジャズが聞きたい、わかりたいけど難しい、という人がそばにいるとして、こちら、別にジャズを大声で語れるとも思わない人間がたったひとついえることがあるとすれば、ジャケットを観て、直感的を信じるべし。自分が気に入ったジャケット...
その音楽がジャケット次第でバカ売れするというようなことはないにしても、あまりにもその音楽のテイストからかけ離れているとよっぽど名の知られたバンドでないかぎりはそれはそれで、聴く気がしなくなってくる。 かつては、分かる人だ...
昨今のレコードブームはちょっと嬉しくなる。それだけ、音楽に対するこだわりがあるということだからだ。同時に羨ましくもある。大きな家に住みたいとは思わないが、収納を気にせずに暮らすというのが一つの憧れだった。 自分はある時か...
ジャケットの誘惑は催眠術のごとく 雨の一日、ずっとピンク・フロイドを聴いていた。これまでよく聴いていたものも全く聴いてなかったものも含めて聴いていると改めてピンク・フロイドそのものが好きになってくる。それだけ、魅力のある...
秋の気配に乗じて、日頃ヒーラーとして大いに世話になっているアンビエントミュージックセレクションを書いてみたい。 もともとアンビエントへの思いは強いが時代とともにアンビエントの形態にもずいぶん変化が見られる。一口にアンビエ...
はっきりくっきりクリスタルなときめき その昔『なんとなく、クリスタル』という小説があったけな、そんなことがふと頭をよぎった。一時代を築いた、あの田中康夫のミリオンセラー小説である。タイトルだけは覚えているのに、中身の方が...