小沼勝『生贄夫人』をめぐって
それにしても、谷ナオミの肉体は ここでも、まさに芸術の域に達するほどに、官能性にあふれており、 『花と蛇』に輪をかけて、そのあらわな姿は眩しいほどである。 苦悶に喘ぐ表情とは裏腹に、快楽に波打つふくよかで淫らな肢体。 脱糞シーンですら、芸術にしてしまうのだ。
それにしても、谷ナオミの肉体は ここでも、まさに芸術の域に達するほどに、官能性にあふれており、 『花と蛇』に輪をかけて、そのあらわな姿は眩しいほどである。 苦悶に喘ぐ表情とは裏腹に、快楽に波打つふくよかで淫らな肢体。 脱糞シーンですら、芸術にしてしまうのだ。
その原点は、「ポルノ度」の極めて高い小沼勝の手によって 換骨奪胎された、この『花と蛇』によって始まったと言えようか。 日活ロマンポルノ界のマリリン・モンローと言わしめた 谷ナオミとのコンビによって 薄暗い渦中にも、堂々陽の目を見た重要な作品である。 この『花と蛇』を見て、谷ナオミに胸をときめかせたという、 今や中年以降であるはずの紳士たちも多かろうと思う。 あるいは、その筋の道に引き込まれたマニアもまた 少なからずいるのであろう。