アニエス・ヴァルダ『幸福』をめぐって
そんな幸福な夏に、 アニエス・ヴァルダのことをふと考え そして彼女の作品がみたくなる瞬間が襲ってくる。 それは、彼女の作品にある一定の季節感が伴っているからだといえるのだが、 1965年のその名も『幸福』などは、 まさにまばゆい夏の光線に満ちた映画として 脳裏に焼き付いている作品である。
そんな幸福な夏に、 アニエス・ヴァルダのことをふと考え そして彼女の作品がみたくなる瞬間が襲ってくる。 それは、彼女の作品にある一定の季節感が伴っているからだといえるのだが、 1965年のその名も『幸福』などは、 まさにまばゆい夏の光線に満ちた映画として 脳裏に焼き付いている作品である。
つまらない論争に巻き込まれ、時間を消費するなら、 一本の未知で、輝きにみちた宝石のような映画を求めて モニター越しに夢見ることをやめない知性があっていい。 ここに、夏をめぐる10本の良質な作品の前に立って、 いつものように、考察してみたい。
『幸福』、唐突に幸福だなんてもちだしたりなんかして 君は究極の楽観主義かい、と思われるかもしれない。 いやね、この『幸福』はちょうど映画のタイトルなんだよ。 ロシアのアレクサンドル・メドヴェトキンの『幸福』のことをいっている。 民話の中に革命と狂想曲を織り交ぜた