市川雷蔵スタイル『陸軍中野学校』の場合
雷蔵といえば、円月殺法という、必殺の決め技をもつニヒルな剣士、 「眠狂四郎」のイメージが強いが 実は幅広く演技をこなせる柔軟な俳優だった。 であるが、自分が好きなのはむしろ 『陸軍中野学校』シリーズの方である。
雷蔵といえば、円月殺法という、必殺の決め技をもつニヒルな剣士、 「眠狂四郎」のイメージが強いが 実は幅広く演技をこなせる柔軟な俳優だった。 であるが、自分が好きなのはむしろ 『陸軍中野学校』シリーズの方である。
少なくとも、好きになった映画の、 そのたまらない空間の中に俳優に恋をする、まさにそんな感覚に過ぎない。 言うなれば、その映画が傑作であれ、駄作であれ、 俳優だけで観れてしまう映画というものもまままある。 その俳優が写っているだけで、何かを話したり、何か気になる仕草をしたりすることで 我々観客の心を奪ってしまうほどの存在。 ここでは、そうした比較に基づいて書き始めようなどという大それた考えは一切ない。 ただその映画が好きだという理由を あえて俳優目線に落とし込んで考えてみたい、それだけのことなのだ。