ロピュマガジン【ろぐでなし】VOL5.

ろぐでなし VOL.5
ヘイユー、メイユー、シーヤレイラ。僕の好きな俳優のたたずむ映画コレクション

好きな俳優のいる映画をみて、その好きさ加減について
想いを馳せながら他愛も無いことグダグダ書く。
これほど幸せな映画体験が一体どれぐらいあるだろうか?
ただなんとなくその映画が好きというのもあれば
その監督だからあえて見る、ということもままあるなかで、
そのなかの俳優をわざわざ追いかけてみる、
そして抜き出して光を注いでみる、という行為は
想像におけるストーキングそのものである。
映画そのものの本質からは、少しだけずれているような気もするのだが、
逆に考えれば、その俳優でなければ、この映画は成立するのだろうか、
という命題にも繋がるものがあるのだと思う。
要するに、監督の力なのか、その俳優の力なのか、という
映画における絶対力学の話だ。

しかし、そこまで難しく考える必要もなかろう。
少なくとも、好きになった映画の、
そのたまらない空間の中にいる俳優に
ただ無償の恋をする、まさにそんな感覚に過ぎないのだから。
初めて人を認識する瞬間、その絶対の愛の対象が母親なのだとしたら
そこに理屈など存在しない。
言うなれば、その映画が傑作であれ、駄作であれ、
その俳優が写っているだけで、
何か話したり、何か気になる仕草をしたりするだけで
我々観客の心を奪ってしまうほどの存在。
自分が仮にそういう立場の一俳優だとしたら、
そんな嬉しいことはないだろう。
だが、所詮、映画とは監督のものだ。
監督次第で、役者は死んだり輝いたりするのだから。
俳優はあくまで素材に過ぎない。
だからと言って、ここでは、そうした比較に基づいて書き始めようなどという
大それた考えは一切ない。
ただその映画が好きだという理由を
あえて俳優目線に落とし込んで考えてみた、それだけのことなのだ。

ヘイユー、メイユー、シーヤレイラ。僕の好きな俳優のたたずむ映画コレクション(邦画編)

  1. 浪花ともあれ悪名三昧、河内音頭で祝祭を・・・勝新スタイル1『悪名』の場合
  2. 遊女よりも友情を選ぶ、魂のホモソルジャーたちに乾杯を・・・勝新スタイル2『兵隊やくざ』の場合
  3. 勝劇の王道、ブラボー市は業を斬る・・・勝新スタイル3『座頭市』の場合
  4. スコーピ女の怨みハラスメント・・・梶芽衣子スタイル
  5. 元祖芸能界最強の無鉄砲男、ここにあり・・・渡瀬恒彦スタイル
  6. 名バイプレーヤー、悪の威厳はピリリと辛い・・・進藤英太郎スタイル『山椒太夫』の場合
  7. 漆黒の闇にある太陽、声の焦点はどこだ?・・・浅野忠信スタイル『FOCUS』の場合
  8. 未だ輝く雷蔵サンダー、音もなく表情もなく色褪せもなく・・・市川雷蔵スタイル
  9. メイユードリーム、男も惚れる男。こんな男になりたい・・・森雅之スタイル
  10. 演戯を求めて森をさまよう吸血俳優記・・・岸田森スタイル
  11. いきるな、ほたえるな、行ききれ、生きろ・・・志村喬スタイル「生きる」の場合
  12. ハラハラドキドキ、世にも優雅な大女優のくたびれ感・・・原節子スタイル『めし』の場合
  13. ナルーズな女、高嶺の女優ひでこ礼讃・・・高峰秀子スタイル
  14. 弔いのあとにさすらいの日々を・・・萩原健一スタイル『傷天』の場合
  15. 蛇を睨んだど根性ガエル、この理由なき豊かさへの反抗・・・水谷豊スタイル『青春の殺人者』の場合
  16. この世の某悪党たちに贈る、語り婆やの改悛ソコヂカラ・・・市原悦子スタイル『しゃぼん玉』の場合
  17. ドヤ顔で、ドヤ街をゆく野良猫のごとき哀しみの・・・芹明香『(秘)色情めす市場』の場合
  18. お人好し、では終わらない。空気に棲まう男の哀愁・・・室田日出男スタイル『人妻集団暴行致死事件』の場合
  19. 永遠のラスト侍、そして世界の三船が行く・・・三船敏郎スタイル『用心棒』の場合

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