深作欣二『仁義なき戦い・広島死闘編』をめぐって
いみじくも大友はいった。 「ワシらうまいもん食うての、マブいスケ抱く、そのために生まれてきとんじゃないの」 まさにそうした生と死の側面が各々ギリギリのところでしのぎを削り、 どっちへ転ぶか、明日なき日々を送る群像劇。 行き着く島なくそうしたやりとりが 究極のエンターテイメントとして描き出される。 『仁義なる戦い・広島死闘編』は掛け値なく傑作だ。
いみじくも大友はいった。 「ワシらうまいもん食うての、マブいスケ抱く、そのために生まれてきとんじゃないの」 まさにそうした生と死の側面が各々ギリギリのところでしのぎを削り、 どっちへ転ぶか、明日なき日々を送る群像劇。 行き着く島なくそうしたやりとりが 究極のエンターテイメントとして描き出される。 『仁義なる戦い・広島死闘編』は掛け値なく傑作だ。
言わずもがな、悪役こそは 面白い映画/ドラマに不可欠な要素であることは間違いないわけで スターばかりで面白い話ができるはずもない。 だから、いかに脇役たる悪役に それなりの役者が揃ってないと悲惨なことになるわけだ。
かくして、勝新の贅の極みが尽くされた『新座頭市物語 折れた杖』は 傑作、かどうかは別にして、 マニアにはたまらない作風となって語りつがれている。 こんな作り手も現れないだろうし、またそれを許す配給会社もないこの時勢、 実に、貴重で、実に勝新らしい一本として、 ファンならずとも、ひとりでも多くの映画ファンに知って欲しい作品である。