リブ・ウルマンスタイル『狼の時刻』の場合
『狼の時刻』という映画は これまで日本ではながらく未公開だった作品で、 (いちどテレビで放映されたらしいが) ある意味、ベルイマンらしい代表作の一本に 数えてもいいぐらいの傑作だというのに 不遇に眠っていたのはあまりにもったいない。
『狼の時刻』という映画は これまで日本ではながらく未公開だった作品で、 (いちどテレビで放映されたらしいが) ある意味、ベルイマンらしい代表作の一本に 数えてもいいぐらいの傑作だというのに 不遇に眠っていたのはあまりにもったいない。
寄り添うをとすればするほど交わりはしない不毛な関係だが それでも母と娘であることは避けることのできない現実である。 娘は娘として、母は母として、 互いの空白を埋めることができるのか? ラストシーン、娘は母を許すことができたのか? 何もかも失いつつある現実の前で、 過去を清算して、娘に寄り添えるのか? 観客は各々感性にヒリヒリと問題を突きつけられるのだが、 『秋のソナタ』はそんな生易しいヒューマンドラマではない。 人間の根源、深層にまで及ぶ芸術家ベべルイマンの魂が 隅々にまで昇華された映画である。 スヴェン・ニクヴィストの冷徹なるカメラワークが冴え渡る。
オータムコタム、山から小僧がやってきて・・・ 芸術の秋、食欲の秋。 深まる秋にちなんで、ロピュマガジンは とりあえず、第二弾「秋特集」を打ち出したいと考えまする。 私はこの秋という季節からが本番、 かき入れ時と申しまししょうか、収穫期と申しましょうか。 なんといいますか、いよいよ持って調子が出てまいります。