ジャン・コクトー

オデュッセウスの帰還 1968 ジュルジュ・デ・キリコアート・デザイン・写真

『デ・キリコ展(Metaphysical Journey)』のあとに

ジュルジュ・デ・キリコという画家の不思議な世界は その奇妙な遠近感と、唐突なモティーフの登場などから、 いわゆる形而上学的絵画などと言われているが シュルレアリストをはじめとした前衛画家たちの作風の中でも とりわけ異質な情緒を掻き立てる画家だと、長年理解してきた。 伝統と革新が同居するという、なにやら、迷宮に足を踏み入れる怖さも手伝って キリコの絵は、あのマグリットの明らかな挑発的絵画とは趣きがちがう、 みるものに、沈黙を余儀なくさせるだけの威風を堂々漂わせている。

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.21特集

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.21

そこで、今回は、映画作りにおいて 監督兼俳優、ひとりでとりしきる孤高の映画作家を特集してみようと思う。 ひとよんで二刀流映画術。 むろん、映画など、とうていひとりでできるものではないし、 監督と俳優を兼ねるから、出来のいい映画が出来るわけでもない。 それがウリになるほど甘いものではないのだが、 うまくいけば、すべてその二刀流作家の勲章になり こければ、すべての責任が覆い被さってくる。 まさに自己責任である。