大竹伸朗という画家
もっとも、大竹伸朗は現代美術の作家という枠に 収まりきれないアーティストだと最初に書いたように その可能性が無限に広がりを見せるアーティストである。 仮に、あたまでっかちな感じでとらえているひとには、 まず、絵本『ジャリおじさん』をおすすめしよう。 子供ならずとも、まずは大人が読むべく絵本なのかも知れない。 「ジャリ ジャリ」という「こんにちは」という挨拶の言葉で始まる。
もっとも、大竹伸朗は現代美術の作家という枠に 収まりきれないアーティストだと最初に書いたように その可能性が無限に広がりを見せるアーティストである。 仮に、あたまでっかちな感じでとらえているひとには、 まず、絵本『ジャリおじさん』をおすすめしよう。 子供ならずとも、まずは大人が読むべく絵本なのかも知れない。 「ジャリ ジャリ」という「こんにちは」という挨拶の言葉で始まる。
理屈や常識で測り得ないものを、 ひたすら衝動とその熱情とともに放出するスタイルを貫いてきた 大竹伸朗という一人の異端なアーティストが、ふと立ち止まって海を見ている、 そんな絵本でもある。 そこに子供たちに向けたメッセージを絵本に認めた。 それが『ジャリおじさん』であり、合言葉「ジャリジャリこんにちは」を発して 出会う人間たちに、どこまでも不思議なコミュ力をもって伝播してゆくのだろう。
ここにあげるものは、こどもたちのみに向けられた大人側の高みからの視線ではない。 視線はむしろローアングルだ。 子供とともに強制する、未来を夢見る者たちすべてへの福音なのである。 そんな力を信じて支持したい、ただそれだけのことである。