前略おふくろ様サブカルチャー

『前略おふくろ様』をめぐって

人と人を結んでいる不確かなものを 確かにしていくというのが このドラマの実態だとするならば、 その正体こそが紛れもなくそこにあるのだと 実感するからであり、 『前略おふくろ様』は、 時代と俳優とスタッフによって生み出された 今絶滅危惧種のようなドラマであることはまちがいなく、 その昔、こんないいドラマがあったことを 僕は嬉しく思うし、 自分にも、また自分のおふくろさんにも 輝くような青春があったということを 今一度思い返すのであります。

白い巨塔 1978サブカルチャー

『白い巨塔』をめぐって

正直なところ、田宮二郎を俳優として どこまで評価できるかまでは自信はないのだが この『白い巨塔』で見せた、異様な喜怒哀楽やテンションの激しい上下動ぶりをみても、 演技を超えたなにものかに憑かれていたことは間違いない。 しかし、今となっては、文字通り、遺作となったこのドラマでは、 当時、本人がかかえていた深い心の闇が 幸か不幸か、決定的にその役柄にまで影響を与え、 深みを与えていた事実は永遠に語り継がれてゆくものだろう。

杉葉子 1928-2019サブカルチャー

気になる叔母さんを偲んで

杉葉子という女優さんがいた。 数年前に亡くなったのを知っている。 何か書こうと考えてみたのだが、 残念ながら、この女優さんはちょっと地味すぎて ヒロインとしてはほとんど印象がない。 原作石坂洋次郎、今井正監督の 『青い山脈』のヒロインというのが もっとも輝かしい経歴ではあるが それについて、書ける記憶がほぼない。 映画について思い入れがない以上、書く意味もない。 けれども、個人的に引っかかっているのは確かである。 というのも、成瀬巳喜男作品での杉葉子をみているからである。