近松物語

溝口健二 1898-1956映画・俳優

サロン De 溝口健二

溝口映画を見終わったあとは、どっと疲れる。 実に重いのだ。 そう簡単には他人に勧められない重みがある。 同時に、その充実感、鑑賞の醍醐味は他にないものがある。 食い入るように見てしまうのだ。 やはり、これぞ巨匠の名にふさわしい格、そして魂に響く何かがあるのだろう。 その意味で、日本の映画史において、 ひとり好きな監督と言われれば、成瀬巳喜男といいたいところだが、 ぼくがもっとも敬愛する監督といわれれば、溝口健二なのである。 当然、その思いは映画作品を通して培ってきた感覚に他ならないが、 ここで語りたいのは、巨匠溝口の功績ではなく、 人間溝口を踏まえた映画作家溝口健二としての魅力なのだ。

『近松物語』1954 溝口健二映画・俳優

溝口健二『近松物語』をめぐって

それほどのことまでをしでかしての危険な恋愛沙汰ゆえに この話は、当時の大衆の胸を打ったに相違なく、 当然、都の民衆たちの耳に入らぬ訳も無く それを西鶴の方は、この姦通譚を 男女の情愛のもつれに重きを置いたが、 近松は、むしろ悲哀としてとらえ 浄瑠璃にして、世評を博したのを下敷きにしたものを、 依田義賢がその両者の間をとって脚本を書いたのが この映画版『近松物語』である。

ろぐでなし VOL.28特集

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.28

大げさなことではないはずだ。 奇をてらうことでもない。誇張するまでもない。 素晴らしき日本の鑑を再発見、再認識してゆこうというわけなのだ。 そんな思いから、まずは、日本映画の魅力に目を向けてみよう。 小津、黒澤、溝口、成瀬、木下・・・ 巨匠達はいざしらず、僕が好きで魅了されてきた 素晴らしき日本映画のソコヂカラを いまいちど、じっくりあじわってみたい。