荒野の狼

Elle est retrouvée ! Quoi ? l’éternité. C’est la mer mêlée    Au soleil.文学・作家・本

文学と音楽をめぐる調べ(前半)

本はいつだって、我々にもミュージシャンにも、 インスピレーションの源であり続ける。 中には、自分で文学作品を書くミュージシャンだっているし、 その詞の世界は文学以上に難解である場合もある。 音と言葉の共鳴と共存。それが文学という名の洗礼を浴びて、 よりいっそう豊かに響くのだ。 そうした側面を吟味しながら音楽を聞けば、 また違った音楽の魅力にたどり着けるかもしれない。

SteppenWolf 1974 Fred haines文学・作家・本

フレッド・ヘインズ『荒野の狼』をめぐって

『荒野の狼』は現代文明に対する皮肉であり、 その洞察力はハリー・ハラーを通じてこの物語を支配し、 他の作品以上に、色濃く反映されているように思われる。 だが、フレッド・ヘインズのよるこの映画化は、 単に文学からの映画化というのでもなく、 また、精神的世界を映像化すると言ったものではなく 実験的でありながらも、どこかユーモアや諧謔精神のようなものをうまく取り込んで、 ヘッセの世界観をうまく抽出した映像化に成功している。