芹明香

喜劇 特出しヒモ天国 1975 森崎東映画・俳優

森崎東『喜劇 特出しヒモ天国』をめぐって

「映画ってのは、ちゃんと作ったって面白ないんです」 これ、たぶん森﨑東監督の本音やないですか? その無精ひげ面、そんでもってシーンのどこかに必ず便所を出すってんで 松竹映画の黄金時代を築き上げた城戸会長から 「不潔だ。ひげを剃ってこい」などといちゃもんをつけられ、 契約を打ち切られたという逸話をもつ森﨑東の 松竹から、東映に場を移してフリー第一作がこれなんです。

㊙︎色情めす市場 1973 田中登映画・俳優

芹明香スタイル『㊙︎色情めす市場』の場合

その芹明香演じる十九ピチピチの若く蓮っ葉な娼婦が、 日夜たちんぼうをしながら、男を漁り渡り歩くわけだが、 ギラギラ夏の太陽が照りつける大阪のドヤ街の片隅で 「うちなぁ何か逆らいたいんや」 そう呟くオープニングシーンのふてぶてしくも、 たくましさと気だるさとともに、思わず視線に緊張が走る。 けれども一時間強のドラマを観終わった後には そんな彼女が実に愛おしくなってくるのだ。

ろぐでなし VOL.5映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】VOL5.

少なくとも、好きになった映画の、 そのたまらない空間の中に俳優に恋をする、まさにそんな感覚に過ぎない。 言うなれば、その映画が傑作であれ、駄作であれ、 俳優だけで観れてしまう映画というものもまままある。 その俳優が写っているだけで、何かを話したり、何か気になる仕草をしたりすることで 我々観客の心を奪ってしまうほどの存在。 ここでは、そうした比較に基づいて書き始めようなどという大それた考えは一切ない。 ただその映画が好きだという理由を あえて俳優目線に落とし込んで考えてみたい、それだけのことなのだ。