松山善三

高峰秀子 1924-2010映画・俳優

高峰秀子小論法

そんな裏話はさておき、日本映画史において、「大女優」という響きが これほど曖昧で、同時に切実に感じられる存在が他にあるだろうか? 子役でデビューし、天才と謳われ 日本映画の隆盛期を支えてきた高峰秀子は華やかなスター街道を歩みながら とくに、“強き女”として記憶される女優ではなかった。 名だたる監督たちの元で、着実に映画産業を支えてきた一面と、 仕事に対する厳しさ、プロフェショナルを生涯失わなかった女優として その名を残した軌跡は、文字通り大女優とよんで差し支えない。 そんな高峰秀子という女優について、 ここでは、成瀬己喜男作品における高峰秀子をめぐって、 改めて書いてみたい。

高峰秀子映画・俳優

高峰秀子スタイル

かくいう自分も高峰秀子、通称デコちゃんの大ファンである。 好きな女優さんは他にたくさんいるけれど、 やはり、ちょっと格が違うのだ。 もの凄い美人でもないが、凛とした気品がある。 そのくせ、銀幕を離れると、意外にも家庭的、庶民的。 そのギャップもまた素敵だ。 いうなれば、飾らない、至ってナチュラルな女性像。 もちろん、会ったこともなければ、なんの繋がりもない。 数々の映画と残されたエッセイなどからの請負、 イメージだけの妄想にすぎない。 いや、妄想なんかじゃなくて、実際そういう人らしい。 それはエッセイなんかを読めばよくわかる。