怪談

小林正樹『怪談』映画・俳優

小林正樹『怪談』をめぐって

これから書いてゆく怪談話で 果たして昨今のホラーテーストに毒された層が盛り上がるかどうかまで自信はない。 いや、むしろ、その趣きに戸惑うことになるかもしれない。 どちらかといえば、アート色が色濃く 古典落語などが好きな人向きの話である。 小林正樹による映画『怪談』は、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の怪談話を オムニバス形式で取り上げた1965年度の作品で 誰もが楽しめるようなエンターテイメントではなく むしろ、格調高き、骨董のような深みのある映画になっている。 海外では、国内以上に評価の高い作品であり、 キャストの方も、当時の豪華絢爛たる俳優陣の熱演ぶりで 当然のことながら作品に箔を付けているほど出来がいい。 その上に、作品を支えるスタッフの充実ぶりが目を引く。

ろぐでなし VOL3映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】VOL3.

昔から怪談話といやあ夏の風物詩、と相場は決まってはいるのだが じゃあ、幽霊ってのは冬になればなったで冬眠する、 なんて話は一度だって聞いたことがないし、 ゾッとすると言う意味ではむしろ、真冬に聞く怪談ほど 臨場感というかなんというか、そそるものもあるまい。 凍えんばかりにガタガタ身を震わせ、血の気が引くなんてのは これがホントのゾッとする話と言わずしてなんであろうか? そんなくだらない話の枕はこのくらいにしておくとして、 『ろぐでなし』プログラムVOL3.では、一つホラー映画についての特集を 組んでみようと言うわけである。