寺山修司

天井桟敷の人々 1945 マルセル・カルネ映画・俳優

マルセル・カルネ『天井桟敷の人々』をめぐって

こうして出来上がった魅力溢れる人間たちの縮図『天井桟敷の人々』。 そもそも“天井桟敷”というのは 劇場の最後方・最上階にある天井に近い観客席のことをいい そこは当然料金も安く、最下層の民衆にとっての指定席で、 この映画のフュナンビュール座では「天国」と呼ばれ、 ワーワーガヤガヤと子供のように賑やかだったことから 「Les Enfant Du Paradis(天国の子供達)」と呼ばれるようになったんだとか。 いかにも演劇の盛んな国フランスならではの 文化的背景が見え隠れするエピソードである。

田園に死す 1974 寺山修司映画・俳優

寺山修司『田園に死す』をめぐって

田園の真ん中で、 少年時代の自分と今の自分が向き合って将棋を指している。 なんともシュールな光景である。 寺山修司の自伝的映画『田園に死す』の ここからがいよいよクライマックスシーンである。 これほど現実離れした光景があるものだろうか? まさに夢か幻想としか言いようのない世界である。 ところが、なぜだかグッと迫りくるものがある。 なぜだろう?