ヴィクトル・エリセ『ミツバチのささやき』をめぐって
1973年製作スペイン映画『ミツバチのささやき』には 自分がこれまで見てきた映画の中でも特別な思いがある。 というのも、この映画を見てからというもの、 そのアナ・トレントその眼差しが 今だ心に住み着いて離れないからだ。
1973年製作スペイン映画『ミツバチのささやき』には 自分がこれまで見てきた映画の中でも特別な思いがある。 というのも、この映画を見てからというもの、 そのアナ・トレントその眼差しが 今だ心に住み着いて離れないからだ。
10年に一度しか撮れないのか、撮らないのか? 『みつばちのささやき』から10年後に『エル・スール』。 そのまた計ったように10年をかけ、 エリセが満をじして温めていた構想が テーマがかぶるということで、企画を断念せざるを得なかったのは 呪われた作家ゆえなのか? 幸い、そんな思慮深い作家が 気持あたらに手を伸ばしたもう一人の神秘があった。 スペイン美術を代表する画家アントニオ・ロペスである。