ロマン・ポランスキー『テナント』をめぐって
それにしても、いくら実際の体験から生まれているとはいえ、 ポランスキーのこうした強迫観念めいた演出は 実に恐ろしく、見事に引き込まれてしまう。 それは『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』にも十二分に発揮されていたが 『テナント』ではそれを見事に当人が演じることで よりリアルで逼迫した空気が張り詰めている。
それにしても、いくら実際の体験から生まれているとはいえ、 ポランスキーのこうした強迫観念めいた演出は 実に恐ろしく、見事に引き込まれてしまう。 それは『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』にも十二分に発揮されていたが 『テナント』ではそれを見事に当人が演じることで よりリアルで逼迫した空気が張り詰めている。
そんな中で、『ローズマリーの赤ちゃん』は ホラー映画の古典的傑作として名高いのは言うまでもないが なんでもない日常からふと悪の手が伸びてくる恐怖を マタニティーブルーにつけこんで、悪魔崇拝といったオカルトテーマを 見事に結びつけた作品に仕上がっている。