フランケンシュタイン

哀れなるものたち 2024 ヨルゴス・ランティモス映画・俳優

ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』をめぐって

エマ・ストーンが演じるベラ・バクスターは、 死体の身体に胎児の脳を移植された再構成された、 いうなれば人の形を残した怪物だ。 その設定だけを見れば、ネオフランケンシュタイン的な話だが、 本作が行き着く先は単なるホラーでもSFでもなく、 むしろ、快楽、自由、知、そして他者との関係性を通して、 自己が自己であるための条件を問いなおす"存在論的ラブストーリーを生き 目覚めたひとりの女性の物語である

こちらあみ子 2022 森井勇佑映画・俳優

森井勇佑『こちらあみ子』をめぐって

そこで森井勇佑による『こちらあみ子』の話になるのだが、 こちらは紛れもなく傑作だった。 あみ子役の大沢一菜は実に強烈な個性の持ち主だ。 監督や周囲の思い入れもよくわかる。 しかし、ただ子役がいい映画というわけでもなく、 一本の映画としても、心に刺さるものがあった。 その意味では、冒頭の子役映画の罠にもってかれない映画だといえる。