映画・俳優 フォルカー・シュレンドルフ『ブリキの太鼓』をめぐって 2024.06.13もとはギュンター・グラスによる戦後ドイツ文学の頂点を極める 傑作小説の映画化である。 映画版では、父親の死、葬儀の際に 「なすべきか、なさざるべきか」この葛藤の末に ふたたび成長への意志を決意しブリキの太鼓をも埋葬し、 二十一までの実にいびつな“少年期”の歩みに終わりを告げる格好で終わる。 個人的には成長を宣言した後の十年の物語を含め さらに続きを見たいところだったが、 ここまでの波乱万丈の人生だけでも 十分に魂を揺すぶられる思いがした。