ルイス・ブニュエルの『昼顔』をめぐって
『昼顔』では、まさにそんなドヌーブの艶を 単なるエロティシズム以上のものとして漂わせている。 美しい肉体と品のある眼差し、そしてモード。 この時ドヌーブ24歳。 すでにロジェ・ヴァディムとの恋、そして出産、 そして姉フランソワーズの死を実生活で受け止めながら、 まさに女としての艶が開花してゆくドヌーブは すでにこの映画的な官能のムードを ナチュラルに作り上げているのは素晴らしい。
文学・作家・本『昼顔』では、まさにそんなドヌーブの艶を 単なるエロティシズム以上のものとして漂わせている。 美しい肉体と品のある眼差し、そしてモード。 この時ドヌーブ24歳。 すでにロジェ・ヴァディムとの恋、そして出産、 そして姉フランソワーズの死を実生活で受け止めながら、 まさに女としての艶が開花してゆくドヌーブは すでにこの映画的な官能のムードを ナチュラルに作り上げているのは素晴らしい。
映画・俳優ロマン・ポランスキーの『反撥』は オープニングから、不安に怯えるドヌーブの大きく見開いた目が 恐怖を誘導してくる。 まるでヒッチコックのサスペンスのように扇動的だ。 だが、ホラーでもスリラーでもなく、 むしろ“恐怖という現象の内部に入り込んだ映画”というべきであり、 外界が主人公を脅かす、そんなあからさまな悪は一切出てこない。 彼女自身の内側で膨張し、伸び、ひび割れ、世界を侵食していく何者か、 その異様な力学によって、古いアパートの一室は、 人間の精神の奥深くに開いた “暗い裂け目”のような空間へと変貌する異質な映画だ。
特集「好きな俳優のいる映画をみて、その好きさ加減について 想いを馳せながら他愛も無いことグダグダ書く」シリーズ、 前回の邦画編に引き続き、第二弾は洋画編を書いて見たいと思う。 普段、特に、邦画洋画を意識してみることなどないのだが、 やはり、体系化した方が、何かと整理しやすい、ということだ。