ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』をめぐって
『白いリボン』『Amour』と 続けざまにパルムドールを受賞した実力者にもかかわらず、 それまであまり評判のよろしくなかった、 というと語弊があるが、 賛否両論の激しかったオーストリアの映画作家ミヒャエル・ハネケによる 『Amour (原題:愛、アムール)』には そのような前振りなど、何の意味も持たないほど、 久々にしばらく動けないほど、しびれのような感銘を受けてしまった。
『白いリボン』『Amour』と 続けざまにパルムドールを受賞した実力者にもかかわらず、 それまであまり評判のよろしくなかった、 というと語弊があるが、 賛否両論の激しかったオーストリアの映画作家ミヒャエル・ハネケによる 『Amour (原題:愛、アムール)』には そのような前振りなど、何の意味も持たないほど、 久々にしばらく動けないほど、しびれのような感銘を受けてしまった。
僕は観た、この『二十四時間の情事』をすべて観た。 何年にもわたり、くりかえしくりかえし観てきた。 いや、結局のところ、僕は何も見ていないのを実感するばかりである。 そう、この『二十四時間の情事』、この映画ですら、 何も見てはいないのだという事実に絶望する。 だが、唯一、そこに男と女の出会いがある。 ただ一日だけ、それを忘れて愛し合う二人がいる。