アキ・カウリスマキ「マッチ工場の少女」映画・俳優

アキ・カウリスマキ『マッチ工場の少女』をめぐって

少ないセリフ、感情を排した演技、そして絶妙な音楽センスの3点セット。 その中で主役を演じるのがカティ・オウティネンだ、 今日まで長年カウリスマキ組のミューズを張っている女優。 はっきり言って、美人でもなきゃ、愛嬌のかけらもない。 言うなれば薄幸の女そのものであり、 少女というには随分籐が立っている女(それでもまだ若い)だが カウリスマキ映画には以降欠かせない女優となる。

特集

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.32 オフビート大好き人に贈る“ツボ”にはまる映画特集

オフビートってものを考えると、ついつい饒舌になり勝ちで それでいて、なんか小難しく考えて悦に入るようなところもあるが 総じて、曖昧かつ懐の深いものであるという魅力を感じている。 その辺りの考察を含めて、あくまで個人的な感想の域を出ないが、 ここでは、オフビートは言葉の遊びのようなものとして捉えて欲しい。 あたかも、音楽を聴くようにしてオフビートを楽しんでみよう、そういうことだ。 オフビート万歳。

太郎・かの子・一平文学・作家・本

岡本かのこのこと

とりわけ、太郎は、母かの子の多大なる影響を受けている。 かの子は童女のようでいて、潔癖なまでに純粋を貫くがゆえに 周りの情緒をも狂わせる女の狂気を孕んで生きた。 本人は情愛の化身のように小説に身をぶつけ、 時には母として、時には恋人、あるいは娘、妹・・・ 眷族の垣根を超えて交わる魂の交歓を求め、 激しく、そして誰よりも太郎を愛した。 太郎もまた、芸術に挑むのと変わりないエネルギーを この母に傾注した。 もっとも、太郎はそれを対等な関係であり 通俗的な母と子の因果関係の馴れ合いではないと強調する。