山田太一『岸辺のアルバム』をめぐって
むろん、ドラマならなんでもいいというわけではない。 こちらは、今から半世紀も前のテレビドラマだというのに、 なぜか、どこかで見た風景が映し出されていて、なにかと心に刺さる。 じつに近しく、内容は実に骨太である。 のちに流行るトレンディドラマと呼ばれるものとは一線を画す内容の、 脚本家山田太一の傑作『岸辺のアルバム』という作品について触れてみよう。
サブカルチャーむろん、ドラマならなんでもいいというわけではない。 こちらは、今から半世紀も前のテレビドラマだというのに、 なぜか、どこかで見た風景が映し出されていて、なにかと心に刺さる。 じつに近しく、内容は実に骨太である。 のちに流行るトレンディドラマと呼ばれるものとは一線を画す内容の、 脚本家山田太一の傑作『岸辺のアルバム』という作品について触れてみよう。
映画・俳優『彼岸花』には、別段、それまでの小津スタイル、 そのテーマと違いがあるわけではない。 とはいえ、つとに洗練された印象がするのは、 あらゆるところに無駄がなく、 何より、嫌味なく、すべてが完璧に流れてゆく熟練の間合いで 究極に、形式と情感の間にみごとな融合がなされるという意味では、 小津映画のひとつの完成形を見る思いがするのだ。 どの作品も甲乙つけ難い魅力がある小津映画のなかでも、 この『彼岸花』がなかんずく大好きなのである。
特集やはり、秋はいい。いいのだ、秋。 そんなことを静かに噛み締めながらも、 やはり、モノには道理、そして移ろいがあり、 それを感じることは幸せなことであり、 それを感じ取れる日本という国が年々愛おしくなっている。 幸い、ようやく、不穏な空気、気配が開けそうな世の夜明けを横目に 希望のわく、そんな思いと、少し憂いを滲ませるという相反する 複雑な思いもかくさずに、サウダージな詩的なひとときを 言葉に託したいと思う。
アート・デザイン・写真ルイジ・ギッリの写真には、何も言わずに、 ぼくらの眼球をそっと、自然に振り向けるそんな導きがある。 優しさなのか、それとも厳しさゆえか、あるいは諦観なのか。 それは「写真」という形式を借りた言説行為であり、 それ以上に「見ること」そのものを問い直すメディテーションに思えてくる。
音楽架空の映画サウンド・トラックといえば、 ムーンライダースの名盤『CAMERA EGAL STYLO/カメラ=万年筆』が 真っ先に思い浮かぶ。 いかにも映画好きによる、贅沢な趣向が反映されている。 まさにドストライクなラインナップがずらり並んでいる。 そのアルバムを筆頭に、シネフィルたちの夢を載せて、 そのテイストが滲み出る楽曲にスポットライトを当てて、 このコラムの最後を飾ろう。
音楽ECMを代表するぼくの大好きなミュージシャンたちも歳をとり、 たくさん並ぶECMのランナップのなかにも、知らない名前、 これまでにない傾向の音楽も混じっているが、 あるときは、そのジャケットイメージから、 あるときは、なんの情報もなくまったく不意に、 そして、なにか引っ掛かる思いを辿って聞く一枚一枚。 どれをとっても、基本的にハズレがない。 マンフレット・アイヒャーの求める、気高い音楽が、 宝石のように最高の録音物として収録されている。
音楽坂本龍一が歩いたフィールドの広さ、 そしてその量、奥行きの前に立ち尽くすと どこから、どう入っていけばいいのか、 正直、考えているうちに時間だけが過ぎてゆく。 それほどまでに膨大で、広い。 冷静に、振り返ってみると、その仕事量のなかで、 教授のアレンジャーとしての才能、そして器、 数々のその輝ける功績、足取りを、追ってみることが まずは坂本龍一という人を理解するに、もっとも近いのかもしれないと思い立つ。 あえて、裏方業ともいうべき地味な編曲者・アレンジャー坂本龍一として その偉大なる軌跡に寄り添ってみる、 その思いを追悼の思いとして、遅ればせながら書いてみたい。
音楽高橋幸宏が亡くなって早2年。。。 回想ひとつできず、ダラダラ時間だけが過ぎていった。 その間も気がつけば彼の音楽を、普通に聴くことは何度もあるし、 正直、いまも生きているような錯覚さえ覚える。 そう、すっかりとこびりついたユキヒロ節の声が懐かしい。 そして、あの隙のないタイトなリズムを忘れることはない。 そんな偉大なるアルチザンであり、ポップメーカーをたたえる時間。 ようやく、そんなタイミングがきた。
音楽エリック・サティという作曲家については 名曲「ジムノペディ」が世に知られてからは なかにはロマンティックで崇高な作曲家として 認識されている人がいるかもしれないが、 生前は仲間内意外に、ほとんど知られてはいなかったし 不遇な一生を終えた人物である。 おかげでどこか風変わりな人として、その逸話が一人歩きするような そんな異端の作曲家なのである。
映画・俳優そんな石に耳を澄ませる文学者がいたとすれば、 その響きを実際に奏でる音楽家がいる。 香川県多度津町に生まれた土取利行である。 彼はミルフォード・グレイブスに師事したフリージャズのドラマーであり、 デレク・ベイリーやスティーブ・レイシーらと共演するかたわら、 同時に世界の民族音楽を歩いたフィールドワーカーであり、 日本近代の大衆歌を掘り起こした研究者でもあるのだ。 だがその活動の中でとりわけ特異なのは、 サヌカイトという不思議な石との出会いだろう。

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