クリスチャン・タフドルップ『胸騒ぎ』をめぐって
ヨーロッパ発の異色スリラー『胸騒ぎ(英題:Speak No Evil)』は、 観る者の胸に生理的な不快を残すバッドエンドな 「胸糞映画(一般には今年最も不穏な映画)」として話題をさらった。 ちなみに2024年にはハリウッドで 『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』としてリメイクされている。 日本語のタイトル「胸騒ぎ」を見て、 上手くつけたものだと感心したものだが とはいえ、誰かに勧めたくなるようなたぐいの映画でもないし、 かといって、みるに値しないと唾棄すべき作品だというものでもない。 この映画から、人は何を感じ、何を学習すべきか、 そんな視点をもって、この不快さにおぼれない程度の良識をもって ここはひとつ思慮深く受け止めてみるとしよう。