ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』をめぐって
有名建築家によるトイレプロジェクトの一環として製作された 日独合作の映画『PERFECT DAYS』、バックはTOTOとUNIQLO。 舞台は日本、東京。 日本映画と言っても差し支えがない。 主役は役所広司、カンヌで主演男優賞を受賞している。 監督はあのヴィム・ヴェンダース。
有名建築家によるトイレプロジェクトの一環として製作された 日独合作の映画『PERFECT DAYS』、バックはTOTOとUNIQLO。 舞台は日本、東京。 日本映画と言っても差し支えがない。 主役は役所広司、カンヌで主演男優賞を受賞している。 監督はあのヴィム・ヴェンダース。
その名もずばり『スモーク』って映画は、 ニューヨークでたばこ屋を営むひとりの男をめぐる物語。 ポール・オースターの短編 『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』がまずあって、 そこから映画用にオリジナルでオースターが書き下ろした脚本を ウェイン・ワンが映像化した珠玉の映画だ。 日本では90年代にミニシアターで上映され、 多くの人々の心をわしづかみにしたっていう、 とってもハートフルなストーリー。 誰の身にもついてまわりそうな、 それでいてひとつひとつが実に誠実で、 つい心にひっかかってしまう話で構成されている。
それこそ音楽なら豊富に浮かんできるが、 映画や文学となると、やれ恋人と、やれ家族と といった副次的快楽を共有するようなものを 得意げに差し出すような気の利いた感性は持ち合わせおらず、 ひたすら、己の琴線に触れてくる、 微妙なものを独断的、偏愛的に取り上げているに過ぎない。 しかし、あえて言葉を添えるなら、 これほど殺伐とした世の中で、 どこへ言っても他人の視線、他者との関係性を無視できない中で まずは、自分という個をしっかりとあらわにして 超然たる思いで、この年末を軽やかに乗り切りたい。