藤田敏八『バージンブルース 』をめぐって
この『バージンブルース』は こうしたバージンか非バージンかわからないような年頃の、 ちょっと素行のよろしくない女の子たちを主人公に据えた さすらいのロードムービーかと思いきや、 実は、これはたわいもない中年男のロマン、 いってみれば、妄想によって男の哀愁を掻き立てる そんな作品になっているのはざっと紹介した通り。 それを演じる中年男、平田自身が いたって「バージン脳」のダメ男であり、 困ったちゃんと結びついてしまうところが 同じ男としてはなんとも微笑ましいのである。