荒木一郎

0課の女 赤い手錠 1974 野田幸男映画・俳優

野田幸男『0課の女 赤い手錠』をめぐって

赤い手帳に、赤い拳銃、そして長い鎖付きの赤い手錠(ワッパ)、 赤、赤、赤のオンパレード。 まさに劇画の世界である。 赤いドレスを纏って、男の欲望の前におもちゃにされても 決して取り乱さない真っ赤な唇の女デカ、杉本美樹こと0課の女澪(みお)。 そんな女刑事、いるわけないっしょ? と言われてもしょうがないくらい、この漫画のような世界の女だ。 それもそのはずで、あの篠原とおる原作の劇画からの映画化だから といってしまえばまかり通る。 そう、あの『女囚さそり』シリーズを描いた人といえば、なるほど と思う人コアなファンもいるかもしれない。 脚本も『女囚さそり』と同じく神波史男&松田寛夫のコンビ。 監督は『不良番長シリーズ』で名を馳せた野田幸男だ。

白い指の戯れ 1972 村川透映画・俳優

村川透『白い指の戯れ』をめぐって

こうしてみると『白い指の戯れ』での荒木一郎が、不思議と 『勝手にしやがれ』のジャン=ポール・ベルモンドや 『俺たちに明日はない』ウォーレン・ベイティあたりの ちょいワル感がかい間見えてくるのだ。 普通に、ちょっと背を伸ばせば届くような加減がいい。 それにハマってゆく伊佐山ひろ子との絡みもバッチリだ。