荒井晴彦『花腐し』をめぐって
『花腐し』と書いて(はなくたし)と読む。 『赫い髪の女』や『嗚呼!おんなたち猥歌』など 神代辰巳の映画脚本で知られる荒井晴彦の監督作品である。 その意味はというと、 せっかくきれいに咲いた卯木の花をも腐らせてしまうという、 じっとりと降りしきる長雨のことなのだそうだ。 なかなか風情漂うタイトルである。 劇中にも雨のシーンが度々あって、 そのシーンがなんとも良いのだ。
『花腐し』と書いて(はなくたし)と読む。 『赫い髪の女』や『嗚呼!おんなたち猥歌』など 神代辰巳の映画脚本で知られる荒井晴彦の監督作品である。 その意味はというと、 せっかくきれいに咲いた卯木の花をも腐らせてしまうという、 じっとりと降りしきる長雨のことなのだそうだ。 なかなか風情漂うタイトルである。 劇中にも雨のシーンが度々あって、 そのシーンがなんとも良いのだ。
コロナ禍においては、色々な制限が課されていたこともあり、 映画館へ足を運ぶ機会も意欲も、ずいぶん減ってはいたが、 最近では、気分的にも大きなスクリーンで集中してみる映画体験を 積極的に回帰している自分がいる。 とはいえ、映画を見たい、手軽に見たいという欲望が無くならないが故に、 ストリーミングに頼るという生活もまた、なくなる事はない。 作品を何度も見直すことができるし、 どこでもかからないような、貴重な作品さえも手が届く。 何より、映画を愛するものにとって有難いまでの仕組みが多く提供されている。 いずれにせよ、1本の映画作品の価値は、 形態や見方を変えても変わるわけではない。 その本質を見落としてしまえば、単なる時間の消費に過ぎなくってしまう。