ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.24
つまらない論争に巻き込まれ、時間を消費するなら、 一本の未知で、輝きにみちた宝石のような映画を求めて モニター越しに夢見ることをやめない知性があっていい。 ここに、夏をめぐる10本の良質な作品の前に立って、 いつものように、考察してみたい。
つまらない論争に巻き込まれ、時間を消費するなら、 一本の未知で、輝きにみちた宝石のような映画を求めて モニター越しに夢見ることをやめない知性があっていい。 ここに、夏をめぐる10本の良質な作品の前に立って、 いつものように、考察してみたい。
それは監督中平康の力といっていいかもしれない。 市川崑と双璧のモダンでスタイリッシュな映画作家だが、 いまいちその扱いはぞんざいで、 どちらかというと過小評価の感の否めない作家である。 しかし、この『狂った果実』がなににもまして 世界の映画作家たちを狂気させた問題作であることは やはり、時代が変わっても事実として受け止めねばならないのだと思う。 いや、時代が大きく変わった今だからこそ、 見るべきものを改めてここに見出すことが可能なのではないだろうか。