サロン de ジム・ジャームッシュ
80年代、ジャームッシュの登場は、そのスタイリッシュな映像と音楽で 日本でもミニシアターブームにも乗じて、大々的にとりあげられ 新しい映画の夜明けを見たものだった。 まずはスクリーミン・J・ホーキンスの音楽と、そのオフビート感覚で席巻した 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の衝撃が忘れられない。 ジャームッシュが現れてくれたおかげで、 ぼくらは映画というものの敷居を、良い意味でフラットになったことを体験した。 素人同然のミュージシャンたちを俳優として起用し、 ストーリー仕立ての既成を取っ払ったスタイルは実に新鮮だった。 永瀬正敏と工藤夕貴のカップルが堂々主人公に抜擢され スクリーンに登場した『ミステリー・トレイン』には、 なんだかいい知れないうれしさと興奮を覚えたものだ。 人種や職種や文化を特別なものとして描かないその自由さのなかに、 ぼくらの世代は素直に共感をもったのだ。




