石井輝男『異常性愛記録 ハレンチ』をめぐって
古くは任侠道にはじまり、ときにはフィルム・ノワール、 シュールからゲテモノまで、玉石混交の闇市のような日本映画史。 そのなかから「さて、今日はどれにしようか」と考えるのが いわば映画狂のサガというものだ。 面白い掘り出し物を探すなら、東映。そして石井輝男。 概ね相場は、そこに落ち着く。 さらに「東映性愛路線」と聞けば、 まあ、だいたいの匂いは想像の域を出まい。 だが中身は、蓋を開けるまでわからない。 そこがびっくり箱的な面白さである。 そしてこの『異常性愛記録 ハレンチ』 これこそは、その想像をはるかに下回り、 同時に、底なしに突き抜けてくる一本である。


